鼎談する3市長ら
空港を活用した観光振興策、未来志向型の地域間交流、広域的空港圏域連携のあり方を考える「空港のある地域2022奄美大島会議」が22日、奄美市名瀬の市民交流センターであった。千代松大耕泉佐野市長=大阪府=、中山義隆石垣市長=沖縄県=、安田壮平奄美市長の3市トップが自治体連携をテーマに鼎談。地域の強みやあるべき自治体交流について意見を交わした。
格安航空会社(LCC)を就航する地域間の交流拡大を目的に活動する「全国空港のある地域連絡協議会」が主催。会議は特色ある施策に取り組むリーダーを招いて、地域づくりについて考える機会を設けるもので、奄美大島開催は2014年から8回目。この日は、市職員や航空事業者、市民ら約70人が参加した。
鼎談では、関西国際空港を抱える千代松泉佐野市長が、ふるさと納税額で日本一にも輝いた取り組みを紹介。「特産品がなければ企業誘致をするなり新しく作っていくことも大事。キラーコンテンツがあれば、他の商品も引っ張られて押し上げられる。奄美にはそのポテンシャルがある。人事交流し埋め合うべきだ」と訴えた。
年間100万人超の観光客を呼び込む中山石垣市長は、石垣牛ブランド構築のため三重県松坂市と互いの専門職員を派遣しあった事例を披露。「互いに派遣し合うことで地域や商店街などへも人的つながりは広がった。空港がつながれば距離は離れていても日帰りが可能な隣まちになる。互いに研修し高め合うこともできる」と呼び掛けた。
安田市長は「斬新で常識に捉われない発想。行政、議会、民間とできる所から交流を深めていきたい」と強調。ナビゲーターを務めた同協議会の赤崎隆三郎事務局長も「(空港を通した)つながりを続けることで地域の底上げに役立てほしい」と述べ、枠を超えた連携を深めていくことを確認した。
会議ではこの他、中山石垣市長による「島しょにおけるコロナ禍の観光政策」と題する基調講演もあった。会議は10月7日、八重山大会も予定している。