「奄美大島世界遺産センター」オープン記念式典でのテープカット
「奄美大島、徳之島、沖縄島および西表島」の世界自然遺産登録から1年を迎えた26日、環境省が奄美市住用町に整備していた「奄美大島世界遺産センター」がオープンした。午前中のオープン記念式典には、中川康洋環境大臣政務官や塩田康一知事をはじめ、奄美大島5市町村首長など関係者45人が列席。環境保全などの情報発信拠点としての開館を祝うとともに、『世界の宝』を次世代へ受け継ぐ決意を新たにした。午後には一般公開され、島内外から多くの人が来館した。
常緑広葉樹の広がる森に生息する希少な動植物や、その生物多様性などが認められ、国内5件目の世界自然遺産に登録された奄美大島。一方、野生生物の交通事故や野生化したノネコ問題など課題も多い。持続可能な環境・社会づくりへ向け、世界遺産センターへの期待が高まる。
式典では、主催者の中川環境大臣政務官が地元関係者などに感謝を述べ、自然対策推進への意を表明。塩田知事は「長引くコロナ禍で、密を避ける自然観光に社会の関心が高まっている。奄美大島・徳之島の貴重な自然を守り継承し、またこの施設で豊かな奄美の森を認識してほしい」と多くの来館を呼び掛けた。
館内お披露目会には、官民の自然環境関係者など約40人が参加。5市町村首長を含む9人によるテープカットの後、同センターのメインとなる展示室を内覧。環境省職員の案内に耳を傾け、ジオラマと音響・映像で再現された奄美の森を体感した。
奄美大島世界遺産センターは、奄美市住用町の「黒潮の森マングローブパーク」内に並列。2019年に基本設計を着手、22年6月に完成。延べ床面積約610平方㍍の木造平屋建て。環境省、奄美大島5市町村、鹿児島県、㈱SQ―からなる管理運営協議会が運営する。遺産登録に伴い7月26日は「世界自然遺産の日」と制定された。