高齢者車両、団地突っ込む

団地の小学生をはねて死亡させ、壁に激突した事故車両=27日午後1時31分、徳之島町亀徳


現場付近の県道カーブ(右奥・団地入口と事故現場)=27日午後1時56分、徳之島町亀徳

3人死傷、小学生も犠牲に
徳之島町亀徳

 【徳之島】27日午後1時5分ごろ、徳之島町亀徳の県道沿いの町営住宅敷地内に軽乗用車が突っ込み、住民の小学生をはねてコンクリート壁に衝突。運転していた同町母間の兼田秀夫さん(82)と、はねられた亀徳小2年生の加納碧士(あおし)さん(7)の2人が搬送先の病院で死亡。一緒にいた5年生男児も軽傷を負った。

 徳之島署の調べによると現場は、同町亀徳の県道カーブに面した町営「小郷団地」敷地内の自転車置き場付近。兼田さんの軽乗用車は、県道を同町徳和瀬方向から亀津市街地方向に走行中、下りの左急カーブを直進する形で敷地内に進入。自転車置き場のアルミポートを破壊して加納さんをはね、団地棟の壁に激突したとみられる。

 小学生の加納さんは全身を強く打つなどして午後2時29分に、運転していた兼田さんは外傷性肺挫傷で午後3時47分にそれぞれ搬送先の病院で死亡が確認された。加納さんと一緒にいた5年生男児も車に接触して軽傷を負った。

 大破した軽乗用車の車内には、サンテナケースと砕けたスイカが散乱。兼田さんは、収穫したスイカを搬送中だった可能性も。詳しい事故原因は同署が捜査中。
 

 爆発音?女性の悲鳴

 団地近くの元商店経営女性(84)は「雷の音かと思ったら、パトカーが来て驚いた。数年前にもこのカーブを曲がり切れなかった車が団地のゴミ置き場に突っ込み、バス待ち中の高校生が負傷したことも。とにかく事故が多い」。団地の住民男性(35)も「爆発音みたいな音と女性の叫び声で外へ。自転車置き場(日陰)では子どもたちがよく遊んでいる。助かって欲しかった…」と悲痛。学校側も対応に追われ夏休み中の悲劇に言葉を失った。