龍郷町で特定外来生物4匹

龍郷集落でみつかったニューギニアヤリガタリクウズムシ(提供写真)

ニューギニアヤリガタリクウズムシ 環境省、見たら「情報提供を」

 

龍郷町龍郷で28日、特定外来生物のニューギニアヤリガタリクウズムシ4匹が見つかった。コウガイビルの仲間で繁殖力が強く、大和村の環境省奄美群島国立公園管理事務所は「見つけた場合は、動かしたり触れたりせずに連絡してほしい」と呼び掛けている。

発見場所は龍郷町龍郷の集落にある墓地付近。同日の早朝に外来植物を駆除していた同町の元県自然保護推進員・宇都宮英之さんが見つけ、連絡した。

宇都宮さんによると、作業中に落ちていた石をめくった際に、石の裏で重なるように4匹を確認。その後に付近を調べたが、これ以外は見つからなかった。宇都宮さんは2~3年前にも同集落の農道で発見し、仲間らと駆除に当たった。「前は集落の反対側の墓地で見つけたが、しばらくは見てなかった。これ以上広がってなければいいが」と話した。

太平洋南部の島に生息するニューギニアヤリガタリクウズムシは1990年ごろ小笠原諸島に侵入。カタツムリなどを食べ、2000年ごろには同島の固有陸産貝類を壊滅的な被害に追いやった。国内では、同時期に琉球列島でも確認。最長10㌢ほどの黒褐色の胴体で、IUCN「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定されている。

奄美群島内での初確認は2015年10月。詳しい侵入経路はわかってないが、沖縄から運ばれた植物や建築資材、靴裏に付着した土などにまぎれて侵入したと見られる。

同事務所の阿部愼太郎所長は「沖縄では調査を進めているが環境への影響などはわかっておらず、島ごとで影響は異なるとみられる」と説明。「発見した場合は詳しい場所など、情報提供してほしい」と呼び掛けている。

情報提供は、同事務所電話0997―55―8620まで。