「徳之島の自然守りたい」

日大三島高「島I都市プロジェクト」。徳之島地区自然保護協に寄付(左・豊村会長、右・稲村さん)=29日、天城町役場

日大三島高「島I都市PJ」
地区自然保護協に寄付

【徳之島】世界自然遺産に登録された徳之島の魅了を発信しようと昨年「島I都市プロジェクト(PJ)」を立ち上げて、同島の高校生らとオンライン交流を続けた日本大学三島高校(静岡県三島市)の生徒有志らは29日、交流イベントの益金を徳之島地区自然保護協議会(豊村祐一会長)に寄付。同高―天城町役場間のオンライン贈呈式で感謝を伝えあった。

日大三島高の同PJは、国際自然保護連合(IUCN)による「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録勧告(昨年5月10日)を機に同年6月、生徒有志ら約30人で発足。同じ世界遺産の「富士山」を抱える地域としての探究活動と併せ、高校生の目線で徳之島の魅力や自然遺産価値についても発信し、希少生物の保全や同島ファンの獲得など地域活動にも取り組んできた。

高校生同士では、伝統芸能文化(エイサー・三味線・闘牛)の披露、双方の特産ジャガイモを使った「三島コロッケ」と「徳之島コロッケ」の食べ比べ。徳之島の特産品(黒糖・島バナナ)と箱根西麓三島野菜(規格外野菜)を利用した商品開発と販売。人気ゲーム「あつまれどうぶつの森」での徳之島の再現。プロジェクトのプレゼン―などにも取り組んだ。

自然遺産登録直後の昨年8月には三島高の代表3人が来島。12月には、樟南二高の稲村琳仁(りんと)さん(商業科3年)が三味線と島唄を携えて三島市を訪ねる対面交流も行った。

そして三島高側は今回、「世界自然遺産を守るには、まずは徳之島の存在を知ってもらうことが大事。自然遺産の保護は現地の方でしかできない。活動目標『徳之島の人と笑顔をつくる』の実現に」と、PJ活動で捻出した収益金4万4644円を寄付することにした。

オンライン贈呈式では、直前の決勝戦で決まった「甲子園出場!」もアピール。同PJ生徒代表・大橋紫生(しき)さん(3年生)はあいさつで、徳之島での直接交流の感動もふり返りつつ「徳之島を盛り上げて笑顔をつくりたい。ふるさとを知ってもらい・味わい・守る。それは徳之島であり三島です」。

徳之島の高校生を代表して樟南二高の稲村さんは、三島市での温かい交流への感謝や感動も述べながら「私はいつか島に帰って、次は自分たちが島の中高生たちに体験活動をさせたい。この(PJ交流)活動は一生忘れられないものに」。

そして徳之島自然保護協の豊村会長(67)も「みなさんの大切な寄付金を希少野生生物の保護やパトロール、外来種の駆除などに有効活用させていただきます」と感謝を述べた。