知名町高校生向けEVバイク試乗会

EVバイクを運転する高校生ら=知名町、沖永良部自動車学校=

“ゼロカーボン通学”へ「音静か、操作変わらない」

【沖永良部】環境省による脱炭素先行地域に認定された知名町は27日、沖永良部高校の生徒を対象にEV(電動)バイクの試乗会を開催した。沖高2年生70人が参加し、操作方法や乗り心地を確かめた。

知名、和泊両町では、島内の二酸化炭素排出量の約半分を占める個人利用の自動車とバイクの脱炭素化の第一弾として、全校生徒244人うち約7割が原付バイクで通学する沖永良部高校のゼロカーボン通学を目指した「EVバイク通学実証事業」を8月から始める。

実証事業は、EVバイクのレンタル事業を行っている(株)カレンスタイルと、今回の事業で使用するEVバイク「E―Vino」の製造元、ヤマハ発動機(株)が協力。両町から車両10台を高校に貸与し、希望する生徒に1カ月間利用してもらう。

実証期間は来年3月まで。本格導入に向けて利用者に意見を聞きながら、EVバイクの有効性と課題を確認していく。実証事業への申し込みは、8月1日から町ホームページで受け付け開始。

この日は事業開始を前に、知名町の沖永良部自動車学校で試乗会が開かれた。

初めて運転した大吉晃広さん(18)は「音も静かで、操作も今までと変わらない。バイクの燃料代が1週間で700円ほどかかるので、少しでも安くなるならEVバイクに乗りたい」と話した。

生徒らに操作方法を説明したヤマハ発動機の衣笠健さんは「EVバイクがSDGsやゼロカーボンについて考えるきっかけになってほしい。長く使ってもらえるよう地域に合った運用方法を考えていきたい」。知名町役場企画振興課の西隆盛さんは「これまで原付バイクの購入費や燃料代が家庭の負担となっていた。EVバイクの導入で少しでも負担を軽くできれば」と語った。