奄振推進へ要望活動

自民党奄振委員長の尾辻秀久参院議員に要望書を手渡す一行

自民党議員と意見交換も
市町村長会・議会議長会

【東京】奄美群島市町村長会(会長・高岡秀規徳之島町長)と奄美群島市町村議会議長会(会長・前田豊成龍郷町議会議長)は29日、2023年度に向けた奄美群島振興開発(奄振)の推進に関する要望活動を中央関係省庁で行った。一行は、国土交通省、環境省を訪問し要望書を提出。奄振法延長などへの理解を求めた。

今回のポイントは「奄美群島国立公園の世界自然遺産登録後の取り組み」「奄美群島の自立的発展に向けた振興開発の推進」「独立行政法人奄美群島振興開発基金の機能強化」「原油価格・物価高騰への対策」についての4項目。省庁訪問に先立って、一行は参議院会館会議室で自民党の森山裕衆院議員、同党政務調査会奄美振興特別委員会委員長・尾辻秀久参院議員、同事務局次長・保岡宏武衆院議員、野村哲郎参院議員らに説明した。

高岡会長は、軽石問題等の対策へ感謝を述べるとともに、市町村事業分として22億7100万円の交付金予算の確保、喜界島などの上水道の水質改善対策等を資料に沿って説明。2年後の年度末に期限を迎える「奄振」については、農業振興、沖縄との連携などをキーワードに法改正に向けた地元の取り組みを紹介しながら、「延長・改正に向けてご尽力を」とお願いした。山元宗与論町長は、与論港の現状と課題を報告した。

続いて意見交換へ。保岡議員は「群島内を回り、市町村ごとの魅力を改めて実感した。(奄振)延長のためには、競い合い補い合うという視点もいいのでは」と感想を述べた。森山議員は「南西諸島の安全保障になっていることを誇りにしてほしい」と語り「果樹などのほうも、しっかりと頑張ってもらいたい」とした。尾辻委員長は「奄美を夢の島に仕上げなければいけない。奄美(群島振興開発)基金について、詳しく調査したい」と意欲的に語った。水道料金なども話題に上がった。

ほか、隈崎悦男喜界町長、伊集院幼大和村長らによる一行は、6班に分かれて衆参議員会館の関係議員を訪れた。その後、国交省、環境省を精力的に回り要望書を提出した。活動を終えた高岡会長は「各省庁に奄美ファンがいたのは、ありがたかった」。また、安田壮平奄美市長も「どちらの省でも奄美の魅力を理解してもらえ、法改正に向けいい感触でした」と満足気だった。