第十管区初となる上級資格を持つ女性制圧指導官となった那良千加さん(左)=24日、名瀬総合体育館=
第十管区初 奄美海保・那良さん
奄美市の名瀬総合体育館で24日、海上保安庁制圧技能検定の上級資格に合格した奄美海上保安部巡視船あまぎ主計士補の那良千加さん(30)に対する合格証書授与式、公開訓練指導が行われた。第十管区(鹿児島県・熊本県・宮崎県)初となる、上級資格を取得した女性制圧指導官が誕生した。
那良さんは熊本県出身。2011年に海上保安庁入庁。第十管区海上保安部(鹿児島海上保安部)、第十一管区同部(沖縄)など経て、20年から奄美海上保安部勤務となった。剣道3段。
「制圧指導官」とは、密航・密漁など海上の犯罪現場の被疑者を取り押さえる「制圧技能」を持ち、その技術を教える訓練指導者。「制圧技能」は検定試験に合格することで取得。同検定の中級取得から制圧指導官養成課程に参加でき、上級取得から訓練指導時の審判、検定員を務められる。
同部によると、22年4月現在、全国の制圧指導官は310人で、うち女性は12人。第十管区内からは那良さん他1人が、今年7月22日に上級試験に合格した。
那良さんは、数少ない上級資格取得の女性制圧指導官になったことに対し「体格差のある男性のやり方ではない、教え方が出来ると思う」とし、今後の希望として「女性の海上保安官が増えることを願いつつ、若い保安官の活躍の場の一つとして『制圧』を教えることが出来たら」と話した。