日々の平和に感謝

慰霊塔を前に除草などで汗を流す支部会員、陸自隊員たち

終戦日前に 陸自隊員と慰霊塔清掃 隊友会瀬戸内支部

自衛隊OBらでつくる県隊友会瀬戸内支部(碩悟支部長)は31日、瀬戸内町古仁屋の高千穂神社内「慰霊塔」と森山公園内にある「富山丸供養塔」で清掃奉仕活動を行った。自衛隊員や遺族会ら約20人が参加し、終戦日を前に先人たちが眠る塔の前で草刈りを行うなど、日々の平和に感謝した。

慰霊塔には、日清戦争(1894年)以降に亡くなった1121柱の戦没者の御霊を合祀。供養塔は1944年の大戦中に古仁屋港
を出港し徳之島亀津沖で米軍の爆撃で沈められた徴用船「富山丸」に乗船していた約4千人の冥福を祈り1985年に建てられたもので、終戦日近くになると島外の遺族や関係者もよく参拝に訪れるという。

奉仕活動は毎年恒例。碩支部長は「尊い犠牲の上に今の平和がある。感謝の気持ちで取り組もう」とあいさつした。

この日は支部会員のほか、陸上自衛隊瀬戸内分屯地隊員、瀬戸内町遺族会メンバーらが慰霊塔と供養塔の二班に分かれて清掃。塔の洗浄や雑草の草刈りに汗を流し、清掃後は塔に花を手向けて、先人の御霊に手を合わせた。

同遺族会の向野忍会長は「ロシア軍のウクライナ攻撃が続くなか、我々ができるせめてもの活動。作業をすることで常に忘れることなく英霊に感謝していきたい」と話した。

なお、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、追悼式は中止する。