総務省は、2021年度のふるさと納税寄付総額が過去最高の約8302億円に上ったと発表した。寄付件数も約4447万件で最多を更新した。鹿児島県内自治体への寄付総額は前年度比約2億300万円増の400億2349万円で、9年連続で過去最高を更新。都道府県別の寄付額としては4番目に多かった。奄美群島の12市町村では、徳之島町が4億2934万円で最も多かったものの、県内順位は18位と前年度(15位)から3ランク下降、寄付額も9700万円減った。
奄美群島の自治体で寄付額が多かったのは、同町のほか、▽奄美市3億1774万円▽喜界町1億3493万円―などと続き、7市町で1億円以上の寄付があった。寄付額が最も少なかったのは宇検村の1575万円だった。
前年度から寄付額が増えたのは、8市町村。最も寄付額が増えたのは和泊町で、前年度比約4300万円増の1億3403万円。金額は喜界町に次ぐ4位だったが、寄付件数は5万3206件と群島内で最多だった。寄付額の伸び率が最も大きかったのは宇検村で、前年度から2倍以上増えた。
逆に、寄付額が減ったのは徳之島町のほか、瀬戸内町、伊仙町、知名町の4町となっている。
徳之島町は、19年度に過去最高の約6億5000万円の寄付があって以降、ここ2年間は減少が続くが、同町の担当者は「牛肉などの高額返礼品の申込が減少しているが、寄付件数はそれほど減っていない。金額より件数を重視し、農家や小規模事業者がつくる農産加工品など、できるだけ多くの特産品を紹介できるよう返礼品のリニューアルを図っていきたい」と話した。
また、初めて寄付額が1億円を突破した和泊町は島内の特産品や加工品を中心に、1千円程度の低単価の返礼品の品ぞろえを充実させた。担当者は「利益は少ないが、納税サイトを通して島の特産品などのPRにつながっている。今後はふるさと納税の使い道などもPRしながら、多くの人が寄付したくなるよう工夫していきたい」と話した。
県内の市町村では、志布志市が2年連続の1位で、前年度比1億8448万円増の52億9767万円。2位は南さつま町の45億5060万円で、大崎町が43億8514万円で続き、13市町が10億円を超えた。