牛舎の屋根に石灰散布

牛舎の屋根に石灰を散布する知名町畜産振興会青年部のメンバー=5日、知名町田皆=

「熱中症に気をつけて」効果伝え活用へ
知名町畜産振興会青年部

 【沖永良部】牛の熱中症を防ごうと、知名町畜産振興会青年部(神里隆樹部長)は5日、牛舎内の温度を下げる効果があるとして牛舎の屋根や壁に石灰を散布する事業を開始した。沖永良部島内では毎年夏前から秋ごろにかけて牛の熱中症が発生しており、町や関係機関で対策を検討していた。

 同町役場農林課によると、2021年度は、51戸の農家が1077頭を飼育し死亡牛は101頭いた。そのうち46頭が熱中症と考えられている。

 牛は暑さに弱く、熱中症になると食欲不振を起こし、死亡する恐れもあるという。

 この日は、青年部のメンバー5人が、申し込みのあった町内の牛舎4カ所で石灰を散布した。1回の作業料は石灰2袋分で1万5千円、石灰1袋追加につき5千円かかる。

 成牛と育成牛合わせて25頭を飼育する同町田皆の牧野久子さん(66)は「昨年は2頭が熱中症になった。1頭でも死んでしまうと悲しくなる。熱中症にならないようあらゆる対策を取りたい」と話した。

 神里部長は「近年、熱中症で死亡する牛が増えている。セリに出す牛が減ってしまうと、バイヤーからは魅力のない市場と判断されてしまう。石灰の効果を農家に伝え、活用してもらえるよう呼び掛けていきたい」と語った。

 問い合わせは知名町役場農林課まで。電話0997(84)3164。