伊仙町検福 自治会が自然観察会

地上の自然観察(生物多様性)と併せて「銀竜洞」地底探索も=7日、伊仙町検福

「銀竜洞」の煌めきに感動
”足元の価値”再認識

 【徳之島】伊仙町上検福(琉清孝区長)と下検福(琉太三区長)の両集落主催の自然観察会が7日午前、同地内の鍾乳洞「銀竜洞(別名・検福穴八幡)」エリアであり、家族連れなど約50人が参加。認定エコツアーガイドの協力で、琉球石灰層の生物多様性や洞内見学で、世界自然遺産の島の〝足元の価値〟を再認識しあった。

 自治会主催の自然観察会は徳之島では異例。県民全体の生物多様性の保全再生に向けた機運の向上、自然と共生した地域づくりの推進―などを目的とした県の地域住民参加型「みんなの生物多様性サポーター支援事業」に応募活用した。

 開会あいさつで琉区長らは「われわれ地元の60歳代でさえも在来種と外来種の違いが分かりにくい。家族で勉強をして、子どもたちは夏休みの自由研究などにも生かそう。この観察会を次への一歩にしたい」と住民ら参加者にアピールした。

 案内は、地元の県希少動植物保護推進員で認定ガイドの徳崇光さん(68)=検福=ら徳之島虹の会会員の認定ガイドら4人が担当した。同鍾乳洞(町指定文化財)エリア内の①希少野生生物②課題となっている外来種③洞内見学の3班に分かれて巡回。1970年代前半の観光全盛期に脚光を浴びた観光資源の鍾乳洞内では、聖地(拝み所)の歴史解説も交え、煌(きら)めきが再生しつつある鍾乳石、大自然の芸術にも感嘆の声が響いた。

 豪州に嫁ぎ伊仙町の実家に帰省中のウィリアムズ・恵利さん(43)=現在・香港在住、人材派遣コンサルティング業=はわが子2人(双子10)と参加していた。「銀竜洞は遠足で来たことがあるが、正直言って自然に対する関心は薄かった。それが世界自然遺産に登録され、海外で日本を見直すことに。こんなスペシャルな自然が身近にある徳之島で育ったのは誇りです」と話していた。