議場で市政について質問する奄美市内の中学生たち
2022年度「奄美市中学生ひかり議会」(市教育委員会主催)は9日、奄美市役所の市議会議場であった。市内の中学生18人が議員となって登壇。身近な教育の充実や街づくりから、世界自然遺産登録後の保全や活用など、市政の課題を幅広く取り上げ、執行部へ鋭い質問を投げ掛けた。
模擬議会を通して議会の仕組みや市の現状理解を目的に実施。市内の12中学校から18人が参加し、議長らを除く12人が一般質問に挑んだ。
金久中3年の満尾寿來くんは、奄美市のGIGAスクール構想開始から1年、格差をなくすためのタブレット端末の持ち帰りを含め「市の今後の方向性を知りたい」と質問。当局は「(持ち帰りに向けた)ルール設定やフィルタリング設定を準備中。家庭にオンライン環境がなくても課題が持ち帰れるよう検討していく」と答弁した。
住用中3年の盛島広翔くんは、奄美の世界自然遺産登録に伴う観光客の増加を見込んで各地へのごみ箱の設置を提案。当局は「設置が増えればかえってごみがあふれるなど景観の悪化につながる。持ち帰ることを求めている。最後まで責任をもつことが大事だ」と訴えた。
このほか、SDGs、少子化問題、通学路の安全確保などへの質問が相次いだ。笠利中3年生の川上栞里さんの過疎化・少子高齢化対策への質問へは「子育て世代への支援、移住定住促進の二つを柱に、島を出た若者が帰りたいと思うような施策を進めたい」と回答した。
西公郎市議会議長は「奄美のことを真剣に考えた提案が各学校から出たことに感動した。学校に持ち帰り、よりよい生活に生かしてほしい」と講評。ひかり議会議長を務めた朝日中3年の山下ひなたさんは「一つの学校だけでは気づかない提案がたくさん出たことがよかった。(議会について)みんなが手を上げて発言機会を得たりとスムーズに進行するためのシステムがしっかりできていると感じた」と笑顔だった。