徳之島で実技教室

目にも留まらぬ実戦技の披露も。全日本空手道選手権チャンプの崎山優成・近畿大コーチ=11日、徳之島町体育センター


憧れの全日本空手選手権チャンピオンと記念写真も

崎山優成さん(近大コーチ)〝帰省〟
全日本選手権チャンプ 最強空手一家・長男

 【徳之島】徳島県在住の空手最強ファミリー長男の徳之島二世、世界学生選手権個人・団体組手2冠や全日本空手道選手権2連覇、アジア選手権制覇中の崎山優成さん(22)=近畿大工学部空手道部コーチ=による「実技指導教室」が11日、同島の小中高生を対象に徳之島町体育センターであった。世界トップクラスの実戦技術の一端も交え少年空手家たちを励ました。

 崎山コーチは、父が徳之島町亀津出身で、世界空手道選手権元日本代表などで活躍し、今年も高松中央高校空手道部を全国優勝に導いた同部の顧問・崎山幸一教諭(48)と同町花徳出身の母の間に生まれた徳之島二世。両祖父母を訪ね今回は3年ぶりに「帰省」。父幸一さんの後輩でもある空手スポーツ少年団の敬空館亀津や徳之島高空手道部などの関係者の要望で実技指導教室が実現した。

 午前9時すぎからあった実技指導教室には3町から約40人が参加。開会式では高岡秀規徳之島町長も「徳之島高の全国大会連続34回出場の輝かしい実績は、選手の才能に加え指導者に恵まれていることが大きな要因。崎山(優成)先生も組手で全国2連覇し、指導者(父)に恵まれた。心技体を磨いて極めて欲しい」などと参加者を励ました。

 実技指導で崎山コーチはまず1時間近くにわたり、身体の柔軟性や筋力、重力も応用した瞬発力など体幹機能を高めるストレッチの数々を指導。自身が得意とする技の実技も交え「組手で一番大事なことは相手との間合い。スピードとパワーの〝虚・実〟の組み合わせ・駆け引きも大切」ともアドバイス。全員がマスク着用で休憩をはさみ約3時間、熱心に指導した。

 参加者の1人・徳之島高女子空手道部の永多まあじょり主将(2年)は「やはりフットワークの軽さと速さが物凄い。ご指導の成果を練習に生かして次の試合で発揮。そして全国大会35回出場を目指したい」と話していた。

 崎山コーチは「(ファミリーで帰省交流した)3年前より人数が減ったのは寂しいが、この子らが徳之島の空手界を引っ張って〝島人パワー〟で競技人口を増やして欲しい」。自身の目標は「全日本選手権3連覇とアジア大会2連覇を目指したい。(近大)コーチ1年目だが西日本選手権で4年ぶり優勝できた。全日本学生は準優勝の上を実現させたい」。3年ぶりの〝帰省〟には「ストレスがなくなる感じが」とほほ笑んだ。