「龍郷町戦争犠牲者追悼式」。献花する参列者
77回目の「終戦の日」を迎えた15日、奄美群島各地で戦没者慰霊祭(追悼式)が行われた。各自治体では新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年同様に参列者を少なくするなど規模縮小して開催した。遺族、行政、議会関係者らが献花台に花を手向け、戦争の悲惨さ、平和の尊さを語り継ぐ決意と誓いを新たにした。
戦没者慰霊祭(追悼式)は同日、喜界町、龍郷町、大和村、宇検村で行われた。
「龍郷町戦争犠牲者追悼式」は、午前10時半から役場庁舎向かい側の「とおしめ公園」内にある「平和の塔」前で行われた。規模を縮小し、遺族ら16人が参列した。最初に全員で拝礼、国歌斉唱、戦争犠牲者へ黙とうをささげた。
竹田泰典町長は式辞で「日清・日露戦争をはじめ、先の大戦において犠牲になられた殉国者六百有余名の御霊に対し、町民を代表して謹んで追悼の言葉を申し上げる」「今、私たちが当たり前のように享受している平和と繁栄は、戦禍の中で尊い命をささげられた戦没者の皆さまの重い犠牲の上に築き上げられてきたもの。そのことを忘れることなく、悲しみの歴史を二度と繰り返さないとの決意を新たにするとともに、戦没者の皆さまがかけがえのない命をもって示された戦争の悲惨さと、平和の尊さを風化させることなく、未来へと語り継ぎ、希望に満ちあふれ、健康で心豊かな平和な社会を永遠に築いていくことが、私たちに課せられた使命であると信じている」などと述べた。
前田豊成議会議長が追悼の言葉を述べ、「昭和、平成、そして令和と、新しい時代が流れる中で、今日、私たちが平和と繁栄を享受できたことは、尊い犠牲の上に築かれていることを深く認識し、戦没者の方々に改めて感謝の誠をささげる」「ご遺族の皆さま方には、最愛の肉親を失われ、深い悲しみを抱えながらも、国の復興と郷土の安定・発展に貢献されたご努力に対し、敬意と感謝を表すものでございます」「さらなる郷土発展に向けて、議会としても一層努力を重ねる」などと誓った。
続いて、竹田町長、龍郷町遺族会の山田國治会長、前田議長がキクの花を献花し、参列者が順次献花した。
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奄美市は、15日に名瀬総合支所と住用総合支所の2会場で予定していた「戦没者慰霊祭」を中止とした。市内で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、影響が見通せないと判断した。昨年に続き、2年連続中止となった。
15日正午に防災無線などを使って「サイレン」を鳴らし、市民に黙とうを呼び掛けて戦没者を慰霊した。