来月伊仙町入り動画制作

今年2月、観光モニタリング事業への協力を通じて追手門学院大学地域創造学部の学生らが作成した動画(YouTubeで公開)

追手門学院大地域創造学部
 関西の大学生に「長寿子宝のまち」魅力紹介 「文化・歴史」など4テーマで

 大阪府茨木市にある追手門学院大学地域創造学部は、「長寿子宝のまち」伊仙町の魅力を、関西を中心とする大学生に紹介しようと、動画作成に取り組む。来月には学生と教員が現地入り。「文化・歴史」など4テーマに分けた動画を計画しており、学生が研修(ゼミ)や合宿地として徳之島をグループ訪問する契機となる内容にしていくことで、大学生と地元の交流による地域活性化を目指す。

 担当する同学部地域創造学科の藤原直樹教授(48)によると、大阪には徳之島出身者が多く生活している中、父親が伊仙町出身の友人が同町で地域おこし協力隊として活動した経緯があり、学生による地域活動調査先(フィールドワーク)として伊仙町を取り上げたのがきっかけ。藤原教授はこれまで北海道ニセコ町など国内外での調査研究実績がある。

 一般社団法人長寿子宝社(伊仙町の外郭団体)を窓口に、当初は昨年の夏休みに学生と訪問を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため延期に。今年2月に少人数での訪問が実現し、徳之島の観光地の魅力の発見とその成果となる動画の作成を行った。藤原教授によると、その過程で、地元自治体では単に多くの観光客に足を運んでもらうことを目標にしているのではなく、中・長期的に地域と関わることのできる若年世代の関係人口の受け入れを積極的に進めたいと考えていると理解したという。

 藤原教授は「徳之島(伊仙町)は観光地としての魅力だけでなく、長寿食や豊かな水源、伝統行事などの地域文化や自然と一体となった環境文化、カムィヤキ(陶器)が代表的な歴史と多くの魅力がある。こうした魅力を深掘りし、関西の大学生をはじめとする若者たちに向けて発信するプロジェクトを構想した」と話す。鹿児島県のアイランドキャンパス事業の助成対象として採択されたプロジェクト(大学生の交流人口拡大に向けた徳之島の観光魅力紹介動画作成)は、「文化・歴史」「食農」「自然・動物」「祭り」をテーマとした4本の動画を、20代前後の若者が最も閲覧しやすいとされる5分程度の長さで制作する。

 動画制作に向けて9月10日から3泊4日の日程で学生8人、藤原教授を含む教員2人が現地入りを予定。四つのテーマを学生が2人ペアで調査していくが、村落訪問や伝統文化行事参加、地域おこし協力隊との交流、自然・文化・歴史施設・農業体験、行政関係者との意見交換などを計画。現地調査終了後は観光魅力紹介動画の制作に取り組む。その過程で地元(伊仙町)とも内容について共有しながら正確性を確保し、広報として発信できる動画を完成させる。藤原教授は「徳之島に行ってみたいだけでなく、徳之島に住みたい、地域活性化に貢献したいと若者たちが思うような内容にしたい」と語った。

 追手門学院大学は学生数約7千人の総合大学。地域創造学部は食農マネジメント、地域政策、観光、地域デザインの各コースがあり、地域の課題を解決し新たな魅力を生み出す取り組みなどを進めている。