向井(九共大、喜界中卒)が2連覇

【男子5000㍍競歩】2連覇を達成した向井=白波スタジアム

九州陸上選手権第1日 男子5000メートル競歩

【鹿児島】第77回九州陸上選手権大会第1日は19日、鹿児島市の白波スタジアムであった。

奄美関係では男子5000メートル競歩の向井大賀(九州共立大、喜界中卒)が21分28秒68で大会2連覇を達成。原勇輔(大島高)は23分2秒17で6位だった。

第2日は20日、同会場である。

苦しみながらも連覇達成

大会記録、県記録保持者の向井大賀が苦しみながらも連覇を勝ち取った。記録は思うように伸ばせなかったが「きつかったけど、優勝だけは譲れませんでした」と汗まみれの顔に苦笑が浮んだ。

スタートから大差をつけ、格の違いをみせたが、気温30度、湿度60%以上の暑さの中で徐々にペースダウン。ラスト1周で2位の選手に追いつかれ、第4コーナー手前で一度首位を譲ったが、覇者の意地を見せて抜き返した。

大学入学以降順調に記録を伸ばしていたが、今年2月の神戸の20㌔大会では競技を始めてから初めての失格を経験。3月にはコロナに感染するなどで思うように練習を積めない時期もあって、本調子をつかめないでいる。1万㍍競歩の自己ベスト39分12秒はインカレでも優勝を狙える力はあるだけに「5000㍍のスピード感覚で一万もいく」ことを目指す。

今大会は不本意な記録だったが、「9月の全日本インカレまであと約3週間、しっかり練習が積めれば」昨年9位と悔しい結果に終わった全日本インカレ制覇の目標も実現可能と前向きに考えている。先日の世界陸上でも日本人選手が活躍したように競歩は日本のお家芸で世界を狙える種目。「同級生でユニバーシアードに出た選手もいる。自分もしっかり結果を出して世界を目指したい」と大きな夢を抱いていた。

一方、原勇輔(大島高)にとっては、同じ奄美の先輩・向井と競えた貴重な経験となった。遥か先を歩かれていたが「自分もあのぐらいになりたい」とやる気スイッチが入った。(政純一郎)