瀬戸内町内のタンカン栽培者ら62人が参加した(19日、きゅら島交流館ホール)
瀬戸内町は19日、「奄美たんかんブランド」確立を目的に、栽培技術の底上げ、奄美大島選果場の利用効率向上を目指す、ダブルワーカー・シニア世代向けの講座「第1回 瀬戸内町ストグレ!たんかん塾(基礎編)」を開いた。同町きゅら島交流館ホールで開催。定員20人の事前案内に対し、同町在住のタンカン栽培者ら62人が参加。講師に、大島支庁農林水産部農政普及課主幹兼技術普及係長・松尾至身(てつみ)さん(53)を迎え、タンカン栽培に関する技術・技能・知識を基礎から学んだ。
町農林課によると、22年度8月現在、町内のタンカン栽培面積は約41ヘクタール、栽培者数は306人。うちJA あまみ瀬戸内支所果樹部会員は、約26ヘクタール、115人だが、同講座は町内全てのタンカン栽培者を対象に開催。全4回の講座を通し、栽培技術の他、栽培時の課題となっている▽隔年結果(1年ごとに豊作不作を繰り返す現象)▽樹勢低下▽単収(10アール当りの作物の収穫量)が低い▽外観が粗悪▽早期成園化―など対応方法を学んでいく。
現在、島内のタンカン栽培の生産者向けガイドブック作成などにも取り組む、県園芸振興協議会大島支部果樹技術部会で事務局を務める松尾さんはこの日、①栽培の心得②基礎生理③摘果作業―の三つに分け、講座を進行。写真やイラストを用いた資料を基に、「春の時点で来年の実の成り方がわかる」など、年間を通した計画的な取り組み方法を伝えた。
講座に参加した60代女性は「木の成長、芽の出方など改めて、具体的に学べた」と感想を述べ「自家用に栽培をしているが、今後は本格的に出荷も出来れば」と話した。
同講座は、来年2月下旬ごろまで全4回を開催。第2回目は10月上旬、病害虫管理、土壌肥料の知識に関する内容を予定している。