一村美術館で登録1周年記念写真展

リュウキュウアカショウビンなどの写真をバックに行われたトークショー=右から村上会長、浜田さん、常田さん

 

 

「未来に夢が持てる島に」
写真家41人、270点展示

 

 奄美世界自然遺産登録1周年記念写真展「奄美悠久の自然と文化」(鹿児島県写真協会・田中一村記念美術館共催)が20日から、奄美市笠利町の同美術館(奄美パーク内)で開かれている。奄美群島の写真家20人および県在住の写真家21人により撮影された、希少動植物や自然、文化など270点を展示。入場無料で28日まで貴重な写真が見られる。

 初日となる20日は、県写真協会会長で写真家の村上光明さん(65)と奄美大島の写真家の浜田太さん(68)、自然写真家の常田守さん(69)による、オープニングトークショーが行われ、撮影時や自然保護の苦労話などに来場者は真剣に耳を傾けた。奄美観光大使でもある村上会長は「シマ唄・島料理・祭など、特異な文化を持つ奄美大島を次は文化遺産にしたい」と語った。

 アマミノクロウサギの写真を出展した浜田さんは「人間本意ではなく、奄美の生き物たちと手を取り合って生きていくことが必要。未来に夢が持てる島にしたい」と話した。

 野鳥や自然の写真を出展した常田さんは「奄美の固有種は約800種あり、守るのは我々島民の役割であり責任。自然および文化を認め、この島に生まれ育った意味を考え生きていくことが必要」とメッセージを送った。

 ショーの最後には、瀬戸内町をメインに活躍する、若手写真家の川崎聖一郎さん(35)が紹介された。川崎さんが「天の川」や「ウミガメ」などをアーティスティック(芸術的)に撮影した写真も展示されている。

 同写真展は、7月19日から8月2日まで鹿児島市のマルヤガーデンズで開催され、有料入場であったが、1000人以上が来場している。