「明確な夢を持ち、諦めないで」

徳之島のちびっ子らを指導・交流した宮下純一さん(写真は幼児の部)=20日、伊仙町ほーらい館プール

 

伊仙町ほーらい館で特別講師
北京五輪銅の宮下純一さん

 

 【徳之島】伊仙町の「徳之島交流ひろば・ほーらい館」が開講中の夏休み短期水泳教室(18~21日)に20日、北京五輪銅メダリストでタレントの宮下純一さん(37)が特別講師を務めた。幼少期の水嫌いや練習嫌いを克服し、栄光の五輪表彰台に泳ぎ着いた水泳人生の歩みなど講演会とワンポイントレッスン会で、地元スイマーらの夢を育んだ。

 同館「夏休み短期水泳教室」は、コロナ禍の影響で活動休止が続く同館プール水泳教室の代わりに初企画。県および奄美水泳連盟などが指導者派遣で協力。町内外の幼児から小中高生・一般まで計約70人が参加しているという。

 宮下さん(鹿児島市出身)は2008年北京五輪男子400㍍メドレーリレーの銅メダリストで、現在は全国ネット番組やCM出演、地元県内のローカル番組タレントとしてもおなじみ。

 まずあった特別講演会は、地元の少年スイマーやその保護者ら約40人が聴講。宮下さんは08年4月の日本選手権水泳競技大会男子100㍍背泳ぎでの北京五輪日本代表選出や、同五輪男子メドレーリレーで第1泳者(背泳ぎ)を務め北島康介、藤井拓郎、佐藤久佳らと銅メダルを獲得した14年前のDVD映像も交え、当時の心境も紹介した。

 その五輪メダリストは幼稚園時代まで、じつはシャンプーハットなしでは頭が洗えず、一人でプールにも入れない水嫌いだったエピソードも紹介。その苦手克服に親が水泳をさせたこと。嫌いなことでも続けると道が開け、10歳で全国大会出場を果たしたこと。中学恩師の進言「壁は越えられる人に訪れる。俺はお前の越えるところを見たい」が進路を決定づけたことも解説。

 そのうえで、「夢を叶えるため」には、①明確な夢を持ち続け、諦めない(夢は自分を後押ししてくれる)②人との出会いを大切にする(まわりの人の支えや言葉)③自分の気持ち・意思を大切にする(後悔しないために自分の道を)と強調した。

 引き続き世代別など約70人を3グループに分けてワンポイントレッスンの実技指導があった。

 長男(5)と長女(3)の2人を参加させた福田良美さん(36)=同町目手久=は「離島ではめったに経験できないこと。(通常教室が)コロナ休止で約1年間泳げず水を怖がって泣いていた。苦手なことも継続すると克服できることを教え、子育てにも生かしたい」と話していた。