世界遺産プラットフォーム第3回会議

野良ネコ対策や法定外目的税の導入などについて意見交換した世界自然遺産プラットフォームの会議

 

野良ネコ対策、宿泊税導入など議論
財源確保の必要性指摘も

 

 世界自然遺産の登録効果を有効活用することなどを目的とする、奄美市の公民連携会議「世界自然遺産プラットフォーム」(座長=須山聡・駒沢大学教授、14人)の第3回会議が20日、同市役所であった。「世界自然遺産登録記念碑の建立」など会議を構成するコアメンバーから提案された7件の提言を承認。ノネコの発生源となる「野良ネコ対策」や観光関連の財源確保策として「法定外目的税導入の検討」などについて、コアメンバーが提案。前回会議で提案のあった「住用川流域の観光資源活用」と合わせた3テーマについて、分科会を設置し提言をまとめることを決めた。

 同プラットフォームの提言として承認されたのは、記念碑建立のほか、▽世界自然遺産の啓発活動を推進する人材の育成▽保護活動への補助・助成及び、支援、表彰の仕組みづくり▽登録に至るまでの自然保護と開発事業に関する歴史(経緯)をまとめる▽盗難・盗掘など違法行為で保護・押収された動植物及び傷病鳥獣類の保護管理計画の作成―など7件。

 新たな提言では、現在、野良ネコの生息調査や保護、譲渡先探しなどの活動をボランティアで行っている一般社団法人・奄美猫部代表のコアメンバーが、財政難や人員不足により活動の継続が難しくなっている現状を報告。保護や相談、啓発などの活動拠点となる施設や人員確保に必要な財源確保の必要性を指摘した。

 法定外目的税の導入については、奄美大島観光物産連盟所属のメンバーが提案。全国各地の税導入状況などを報告し、今後増加が予想される観光客の受入環境整備に向けた財源として「宿泊税」の導入に向け、検討委員会を奄美市に設置することなどを求めた。

 出席者からは宿泊税のほか、「環境協力金」などの導入についても意見があった一方、任意の協力金よりも継続的かつ安定的な財源として法定外目的税の導入を強く推す意見もあった。

 野良ネコ対策と法定外目的税導入については今後、それぞれ分科会を設置し、さらに具体的な提言内容を検討することになった。

 同プラットフォームでは次回第4回会議でこれまでにあった提言などをまとめた中間報告を実施。来年度以降の市の事業への反映を目指す。

 また、第5回会議では外来種対策について、専門家などを招き、具体的な対策などを議論することにしている。