群島内25校に危険箇所

業者が伐採作業を行った名瀬小学校校庭

12市町村教委まとめ 倒木や枝落下にリスク
小中学校で「樹木点検」進む

 曽於市の小学校で芝刈り中の校長(57)が折れた枝の下敷きとなって死亡した事故を受け、奄美群島内の小中学校や幼稚園でも樹木の点検が進められている。25日現在、25校で危険箇所が報告されており、各校では枝の伐採や立ち入り禁止といった措置を講じるなど、校内の安全確保への対応を急いでいる。

 事故を受けて、県教育委員会が12日付で各市町村教育委員会へ通知。校内の樹木を点検し、できるだけ早く報告するよう求めていた。

 奄美市教育委員会では、事故を受けた翌10日と県通知のあった12日に、市内の幼稚園4校、小学校16校、中学校12校(併設含む)の計32校に安全点検を呼び掛けた。学校では教諭らが校内の樹木を目視などで点検。倒木や枝の落下のリスクの高い樹木の確認を進めてきた。

 同市で危険箇所と報告された学校は10校。このうち2校は18日までに木を伐採するなどの対策を終えている。

 奄美市の名瀬小学校では今年5月ごろ、同校裏の遊歩道に大きなアカギの枝が落下したのを市民が発見。これまでも台風や強風のたびに、枝が折れるなど危険を感じていたことから同校と市が相談。25日までに業者が重機を使って、校内や周辺のアカギ約20本の枝の伐採を行った。

 同校では通知の数日前にも校長らが校内を点検した。来月4日にはPTAの協力で校内樹木のせん定なども計画。笠井マリ子教頭は「台風の後には折れた枝が木に掛かってないかなど必ず点検してきた。幸い我が校はPTAとの協力体制もできており、これからも子どもに危険が及ばないよう改善に取り組んでいきたい」と話した。

 同市では残り8校についても対応を検討しており、担当者は「定期的な点検も視野に市内の業者へはすでに見積りも依頼している。これからも校内の異常が減らせるようしっかり努めたい」と話した。

 このほか奄美群島内では、龍郷町1校、瀬戸内町2校、天城町5校、和泊町2校、知名町5校で危険箇所を確認(喜界町は調査中)。危険箇所にはテープを貼って立ち入り禁止を行うなど対応しており、知名町では、樹木に空洞があり危険と判断したガジュマルの撤去も決めている。