第6回対馬丸慰霊祭

対馬丸慰霊祭で、集落を代表し式辞を述べる津田直隆区長(27日、宇検村宇検・船越海岸)

平和への誓い新たに
久志小・中の児童生徒も参加
宇検村・船越海岸

 太平洋戦争中に米軍の潜水艦により撃沈された学童・一般疎開船「対馬丸」の犠牲者を悼む「第6回対馬丸慰霊祭」が27日、宇検検宇検・船越=ふのし=海岸にある対馬丸慰霊碑前で行われた。新型コロナウイルス感染拡大を考慮し、3年連続規模を縮小し実施。植田稔副村長ら宇検集落役員を中心に、久志小・中学校の児童生徒ら計15人が参加。犠牲者への哀悼とともに78年前の悲劇を繰り返さぬよう、平和への誓いを新たにした。

 対馬丸は、1944年8月21日夕方、学童・一般疎開者ら約1800人を乗せ、那覇港から長崎に向け出港。しかし、鹿児島県悪石島近くを航行中、米潜水艦の魚雷攻撃を受け沈没。犠牲者約1500人、うち学童は約800人。宇検村の同海岸、枝手久島に多くの遺体が流れ着くなか、住民たちは犠牲者の埋葬とともに、生存者の救護に尽力を尽くした。

 慰霊碑は、宇検集落民らの要望により2017年3月に建立。同年から同慰霊祭は行われており、今年で6回目を迎えた。

 この日の慰霊祭は、開催直前まで大雨に見舞われたが、黙とうが捧げられた午前10時には天候が回復。以降、式辞、献花が行われ、犠牲者の冥福が願われ、恒久平和が誓われた。
 慰霊祭に出席した、久志中1年の福山芽衣さん(12)は「対馬丸の事件のことは小3の文化祭の演劇で知った」と話し、「戦争が起こらないよう、私たちが出来ることを色々やっていこうと思う」と平和への願いを語った。