沖永良部で「あなたのそばで県議会」開催

住民(手前)から意見要望を聞く県議ら=27日、和泊町=

「沖縄運賃低減を」「働く場所増やして」
県議と意見交換

 【沖永良部】県議が県内各地に出向き、住民の意見を聞く「あなたのそばで県議会」が27日、和泊町防災拠点施設やすらぎ館であった。「あなたの考える大島地域の振興策」をテーマに県議26人と沖永良部2町の住民約70人が意見交換。参加者からは「沖縄へ行く時の航空運賃の低減を」「水道事業に対する補助金を上げてほしい」「島に働き場所を作ってほしい」などの要望が出た。

 県議会の役割や活動について理解を深めてもらおうと2011年から実施。大島地区では14年に奄美市、17年に徳之島町で開催している。

 県議会の田之上耕三議長は「議会は、地域の課題を的確に捉え、迅速に対応してもらえるよう県政に反映させていくことが役割。元気のある鹿児島の創造に向けて努力していきたい」とあいさつ。

 意見交換では、知名町が整備を進めている水道水の硬度低減化事業について同町在住の男性は「整備に向けて奄振交付金や県の交付金を活用できないか」と要望。ドクターヘリで沖縄に搬送された経験がある男性は「沖縄に行く方が、鹿児島へ行くより航空運賃が高い。緊急を要することも多いので安くならないか」と訴えた。集落で被害が増えている野良猫への対策を求めた女性は「猫は網戸を壊したり、サッシを開けたりするので夜も戸の鍵を閉めないといけない。住民はストレスがたまっている」とした。

 また、中学生からは「沖永良部島には自分の望む仕事がない。職業の幅が広がれば人口が増えるはず」と提案。県議は、現在の県の支援体制を説明し「みなさんの夢をかなえられる島になるよう頑張っていきたい」と応えた。

 このほか、教育格差の是正や沖永良部空港のジェット化などについて質問が出た。

 質問した和泊中3年の德田結衣さん(15)は「自分の思っていることを発表できて良かった。議員さんも真剣に考えてくれていたのでうれしかった」と話した。