障がい者虐待防止へ研修

会ではグループワークもあり、行政や施設従事者、支援者らがそれぞれの立場で意見を交わした

浅田さん講話、事例紹介も
自立支援協部会

 奄美地区地域自立支援協議会専門部会の「相談支援部会」と「就労支援部会」の合同部会が26日、奄美市名瀬の市民交流センターであった。相談支援センターあこ(鹿児島市)の浅田茂毅さんが「障がい者虐待防止への取り組み」をテーマにオンラインで講話。参加者らは県の事例にも耳を傾けながら、なぜ虐待が起るのかについて考えた。

 2022年度の報酬改定に伴う、虐待防止研修の一環。新たな改定では虐待防止に向けた委員会設置、責任者配置などが義務付けられており、浅田さんらが障害者虐待防止法について解説した。

 浅田さんは虐待につながる理由を、「それぐらい…、他の人もやっているから…といった、小さな不適切の積み重ねが大きな虐待に発展している」と指摘。「閉ざされた空間」「周囲の影響や慣れ」「認識不足」といったキーワードを挙げ、「疲れや空腹など、怒りが虐待につながっている。一対一、二人きりにならないような環境づくりが大事だ」と、チーム支援による重要性を訴えた。

 このほか会では、県大島支庁地域保健福祉課が県内の虐待事例を紹介。グループワークでは「利用者の一人ひとりの特性を理解することが大切」「冗談でも(利用者を)傷つけている場合がある」といった意見も出た。

 浅田さんは「虐待をする人には、こうしてあげたいといった思いが強すぎる場合も多い」と総括。「相手の特性を知る前に、まずは自分の特性を知ることも重要だ」と呼び掛けた。