奄美駐屯地で共同対艦訓練

奄美大島で初めて展開した米ハイマース

米ハイマースが初展開 電子戦などで連携強化
オリエント・シールド22

 陸上自衛隊と米陸軍による共同訓練「オリエント・シールド22」は31日、奄美市名瀬大熊の奄美駐屯地であり、米陸軍高機動ロケット砲システム(ハイマース)が初展開するなど、共同対艦戦闘訓練を公開した。日米の電子戦部隊も初参加。日米指揮系統のもと、ハイマースや電子戦装置、12式地対艦誘導弾を展開し、島しょ作戦の連携強化を図った。

 オリエント・シールドは、陸自が毎年行う米陸軍との共同訓練。部隊がそれぞれの指揮系統に従って共同作戦を行い、連携強化と対処能力の向上を図ることを目的に実施している。

 この日は、12式地対艦誘導弾部隊(瀬戸内分屯地)や301電子戦中隊(奄美駐屯地)、ハイマース部隊ら陸自約200人、米陸軍約50人が参加。訓練は非実射で、健軍駐屯地(熊本県)、奄美駐屯地の共同調整所など日米指揮系統が通信システムをつなぎ、ロケット砲や誘導弾、レーダー装置を用いて、領海を侵犯した戦艦への対処方法、手順などを確認した。

 訓練後、竹本竜司西部方面総監陸将は「日本を取り巻く環境が大きく変化するなか、日米の連携、作戦能力の向上が確認できた。キネティック(運動性の兵器)、ノンキネティック合わせてより効果的な訓練ができた」と強調。ジョエル・Bヴァウル在日米陸軍司令官は「訓練は、自由で開かれたインド・太平洋を守る意思を示すもの。奄美での訓練は地形上の意義も大きく、パートナーシップや友情、鋼の強さを示すことができた」と述べた。

 オリエント・シールド22には、陸自約1400人と米陸軍約700人の計2100人が参加し、8月14日~9月9日(実動訓練8月28日~9月3日)の期間で実施。奄美以外の地域では、福岡駐屯地、霧島演習場、大矢野原演習場などの7カ所で、対空戦闘や兵站・衛生といった共同訓練を行っている。