畑かんマイスターと語る会

「設置推進率」向上に向け話し合われた「徳之島地域畑かんマイスターと語る会」意見交換会(30日、徳之島生涯学習センター)

鹿児島県やさい振興大会の野菜生産農家部門で功労賞を受賞した川上福良さん=右=(同)

「設置推進率」向上へ
徳之島地域

 【徳之島】徳之島地域総合営農推進本部(本部長・高岡秀規徳之島町長)主催の意見交換会、「徳之島地域畑かんマイスターと語る会」が30日、徳之島町生涯学習センターであった。同島3町の農業生産者(畑かんマイスター)12人ほか、県・各町職員など関係機関計約40人が参加。申込期限が迫る、畑かん整備の設置に関する「推進率」向上に向け話し合いが行われた。

 同営農推進本部の「畑かんマイスター」は、人工的に畑や水田に導水する方法「畑地かんがい(畑かん)」の①営農の積極的実践②紹介・PR活動③同営農に関する行政への提言・地域への助言―などが目的。2014年度策定の同地域畑地かんがい営農ビジョンに基づき、国営徳之島用水土地改良事業(徳之島ダム)受益地区への県営畑地かんがい設備(スプリンクラーなど)設置同意の拡大にも協力する。22年8月現在、委嘱を受けた同マイスターは15人。

 県徳之島事務所農村整備課によると、22年4月1現在、同ダムの受益対象面積計3451㌶に占める県営畑かん整備事業(スプリンクラー設置)の「散水開始面積」は848・2㌶(進捗率24・5%)。町別進捗率は徳之島町22・3%、天城町28・8%、伊仙町21・3%。各地区で県営同事業の申込期限が迫りつつある。

 今回の意見交換会では、課題となっている同設備の設置推進率の向上を中心に、同事業の理解促進、新たな情報発信に関して話し合われた。具体策の一つとして、県農業普及課からは、次世代を通した各世代への理解を目的とする、中学生を対象にした「畑かん営農出前講座」の計画が報告された。他にも、営農推進に対して、新規品目導入に関する意見交換があった。

 またこの日の会では、県が主催する「鹿児島県やさい振興大会」野菜生産農家部門の功労賞表彰式が行われた。受賞した畑かんマイスターである、徳之島町下久志の川上福良さん(86)に、賞状が手渡された。