長引けば漁業大きな損害

多くのロープで係留を強化した漁船=8月31日、名瀬漁港前船だまり

名瀬近郊船だまり 陸揚げ、係留を強化
台風影響

 台風11号及び熱帯低気圧の奄美地方接近に伴い、30日から奄美市名瀬近郊の漁港や船だまりでは、対策を急ぐ漁業関係者の姿が見られた。対岸までの係留用ロープを増やし強化したり、クレーンにより船を陸揚げするなど、猛烈な台風接近の対応に追われた。

 名瀬漁港前の船だまりでは30日から小型船の陸揚げが行われ、31日午前中には本船から対岸まで、多くのロープが渡され係留が強化された。大熊漁港の船だまりでは係留の強化が多く見られ、長浜地区の船だまりでは、30日にほとんどの遊漁船が陸揚げされ、多くのロープで強固に地面に固定された。

 名瀬漁協の関係者は「本船は30日に戻ってきた。夜光貝など貝類の水揚げもあったが、31日は名瀬、大和、笠利の素潜り漁の魚、エビ、島ダコの持ち込みだけだった」と話す。

 名瀬地区漁業集落の代表、座安俊朗さん(59)は「船は既に陸揚げした。他の漁師ともしばらくは漁に出れないと話している」と話し、素潜り漁師の徳永正士さん(74)は「小湊と名瀬の船は陸揚げした。台風や熱帯低気圧が過ぎた後もうねりが残り、長ければ今月中旬まで漁に出れないかもしれない。イセエビも解禁になったばかりなのに残念」と悔しさをにじませた。