マングース約4年間捕獲ゼロ

環境省、21年度防除事業結果「極めて少なく根絶の状態」

環境省沖縄奄美自然環境事務所は1日、「2021年度奄美大島におけるマングース防除事業」の実施結果を発表した。同島に生息する特定外来生物のマングースは捕獲されなかった。18年4月に捕獲されて以降、約4年間捕獲ゼロが続いている。同省は、21年度からマングース根絶の確認と防除完了を目指す実施計画を進めており、今回の調査結果を受け、「継続的にマングースが減少、生息数は極めて少ないか、根絶できている状態」との認識を示した。

21年度の防除事業は、島内5市町村で実施。マングース捕獲の専門家「マングースバスターズ」32人体制で、わなと探索犬による捕獲を試みたが、捕獲はなかった。また、島民から寄せられた12件の目撃情報をもとに、センサーカメラや探索犬などによる調査を実施したものの、生息は確認されなかった。

同省は、マングースの根絶を科学的に評価するため、島全体で21年度末現在、2万1755基のわなを設置。探索犬については、生体探索と糞探索のペアを全域で累計2102日間投入。探索ルートの総延長は3844キロにのぼった。

センサーカメラは島内474地点に設置、累計11万3957日の撮影を行ったが、マングースを撮影することはできなかった。

同省は、約4年間生息が確認されていないことから、「全島からの根絶に向け大きく前進した」とする一方、「残存個体群が生息している可能性も否定できない」とし、22年度事業について、引き続きわな、探索犬、センサーカメラなどによるモニタリングを継続。最短で23年度秋の「根絶宣言」を目指し、目撃情報の提供も呼び掛けている。

マングースの捕獲数は00年度の約4000匹をピークに減少傾向にあり、07年度に783匹、14年に71匹まで減少。18年度に1匹捕獲されて以降は、ゼロが続いている。

また、センサーカメラによるマングースの撮影は、17年度の8回が最後で、18年度以降は撮影されていない。