アリーナ推進協解散へ

解散が決定した総合交流アリーナ建設事業推進協議会=9日、和泊町=

 

町長「新たなメンバーでさらに検討を」
委員からは反発も
和泊町

 

 

 【沖永良部】第5回和泊町総合交流アリーナ建設事業推進協議会(平山和仁会長、委員22人)が9日、同町役場会議室であった。前登志朗町長は、協議会の解散を発表した上で、昨年12月に協議会が答申した基本構想・基本計画案をもとに事業内容を再検討するため、新たな組織を設ける考えを示した。

 協議会は、2020年8月に町長の諮問機関として設置。策定された基本構想・基本計画案では、施設規模6400平方㍍、建設場所「町民運動広場周辺」、概算の施設整備費用31億円などとしている。町長へ答申後、町民説明会を校区ごとに全4回開いた。

 協議会の解散は▽委員の任期は事務が終了するまで▽所掌事務は町長への答申―とする協議会設置要綱に基づき、8月25日付の書面で委員に通知された。

 この日の会議は、協議会解散の決定を受け、前町長に今後の事業の方向性などの説明を求め、協議会側が開催を要請した。委員11人のほか、前町長と伊原拓也副町長、竹下安秀教育長が出席した。会議冒頭、平山会長は「打ち合わせもなしに、(解散の)通知が届いたのは会長として納得できない」と述べ、前町長に解散の理由を求めた。

 前町長は「多くの町民は施設の必要性を認めていると感じている。ただし建設場所と施設規模は検討の余地を残している。答申内容やそれを踏まえた意見をもとに、今後さらに検討を進めていきたい」とした。今後については「新たなメンバーで考えていきたい」「早く事業に着手するため、次の組織で相談させていただきながら計画を進めていく」などと話した。

 委員からは「これまで協議をしてきた結果、解散というのは、アリーナを作らないということなのかと驚いた。新たな段階に進むのであれば、もう少し説明をして欲しかった」などの意見が出た。

 奄美新聞の取材で、新たな組織の構成メンバーについて前町長は「スポーツ団体の代表者以外にも、施設を実際に使う人や子育て中の母親などの声も聞きたい」と話した。