避難・防災計画策定

防災計画策定を報告、安田市長(右)に避難所整備などの要望書を手渡す森田区長

 

 

市に避難所整備など要望
住用町役勝集落

 

 

 奄美市住用町役勝集落(79世帯、145人)の住民らが12日、奄美市役所を訪れ、安田壮平市長に集落独自の「役勝集落避難・防災計画」を策定したことを報告、集落内の避難所整備や防災無線の個別受信機設置、海抜表示などを求める要望書を提出した。

 同集落では、今年1月の津波警報による避難指示が出されたことを機に、集落独自の避難・防災計画の必要性を指摘する声が高まったことから、6月から地域の民生委員や青壮年団、消防団、地元企業などを中心に避難計画策定に取り組んできた。同市住用総合支所や大島地区消防組合などの協力も得ながら2回の策定会議を経て8月末に計画を策定した。

 計画は、①高齢者など1人で避難できない要救援者18人を対象に、住民3人で支援する「1・3体制」づくり②避難所の見直し③毎月第3日曜日を「役勝集落防災について考える日」に制定④災害時の情報提供や連絡に活用するLINEグループ作成の4項目。

 1・3体制では、集落区長を中心に支援体制のグループづくりの名簿を作成。要援護者を救援する担当者を決め、普段からコミュニケーションをとるなど連携を図る。避難所には、集落内に事務所を置く民間企業の協力も得て2階建て建物を一時避難場所などに指定した。

 LINEグループでは、災害や避難状況などの情報共有を図ることなどを目的としており、誤情報などによる混乱を避けるための運用マニュアルなども定めた。

 計画策定の発起人の建設会社会長・三浦和美さん(66)は「若い人たちがとても協力的で、心強く感じている。集落全体の防災力向上に向け、住民の連携をさらに高めていきたい」と話した。

 要望書は、同集落の上役勝、中役勝、下役勝の3地区長連名。下役勝地区の森田博秀区長(71)が代表して、安田市長に手渡した。

 要望書では、同集落の避難所でもある上役勝公民館が、2010年の奄美豪雨災害時に浸水したことから、2階部分の増築なども要望している。

 森田区長は「地域の実情に沿った防災計画を作ることで、災害に強い集落づくりを目指したい。集落で出来ることは住民自ら行い、集落だけでは難しいことは行政にお願いしたい」と話した。

 要望を受け、安田市長は「住民が中心となって防災計画を策定してもらい感謝している。行政としても協力できることを一つ一つ検討し、地域の防災力向上に努めていきたい」と話した。