県議会代表質問

「全数把握」20日から見直し
新規感染者数8月11万人と大幅増

9月定例県議会は14日、代表質問があり、いずれも自民党の西髙悟議員=志布志市・曽於郡区=、郷原拓男議員=鹿屋市・垂水市区=が行った。新型コロナウイルス感染症対策で塩田康一知事は、感染者の氏名などを確認する「全数把握」を見直し、医療機関から保健所への発生届出提出の対象について、20日から高齢者や重症化リスクの高い患者などに限定することを明らかにした。

国が全数把握の見直しを打ち出した中、鹿児島県の対応方針に関する質問で知事が答弁。県内では連日2千人程度の新規感染者数が確認されるなど医療機関や保健所への負荷が高い状況で推移しており、このままでは「新型コロナ以外の重篤な病気の治療や手術を含め県民への医療提供サービスが十分にできないことが懸念される」として知事は、速やかに医療機関や保健所の業務負担軽減を図るため国の方針に沿う形で全数把握の見直しに向けた作業を進めた結果、14日、国に緊急避難措置の届出を行ったと説明した。

医療機関が保健所に発生届を提出する対象者は見直しにより65歳以上や、重症化リスクがあり治療薬が必要な人、入院が必要な人、妊婦に限定される。発生届出の対象外となる自宅療養者からの相談には「コロナ・フォローアップセンター鹿児島」で対応。房村正博・くらし保健福祉部長は答弁で「全数把握の見直しを行う今月20日以降、相談体制を増強するとともに、医療機関を受診せず自己検査等で陽性となった人の確定診断をするため、新たに医師を配置する」と述べた。

7月以降の県内の感染状況に関する説明もあった。新規感染者数は7月5万3589人、8月11万1910人、9月(12日現在)2万4115人と推移。合計18万9614人で、8月が突出している。この間の感染者の年代別内訳は20歳未満30・3%、20~50歳代49・9%、60歳以上19・8%。入院患者数は7月1191人、8月2305人、9月(同)454人の計3950人。年齢別内訳は20歳未満5・9%、20~50歳代15・9%、60歳以上78・2%となり、高齢者の割合が高い。新規感染者に対する死亡者の割合は昨年7~9月0・67%から、今年はオミクロン株系が主流となっている関係で1~6月0・17%、7~8月(第7波)0・13%となり死亡率は低い。しかし死亡者数が増加傾向にあり、房村部長は「7月以降、新規感染者数が爆発的増加したことに伴う重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を有する人への感染が広がり、死亡者が増えている」と説明した。

15日も代表質問がある。