マングローブ探検隊

ミナミコメツキガニを観察する子どもたち(11日、奄美市住用町)

「命のゆりかご」で奄美の自然を学ぶ 住用川河口

環境省奄美野生生物保護センターと奄美自然体験活動推進協議会は11日、自然観察会「マングローブ探検隊」を、奄美市住用町の住用川河口で開催した。

講師に、マングローブ公社でカヌーガイドを務める髙橋周作さん(27)を迎え、5組14人の親子らが参加。マングローブを形成する植物やカニ類やハゼを観察。干潟にいる様々な生き物を通し、奄美の自然の豊かさ、その実態を学んだ。

同省が毎年7月21日~8月20日に全国で行う「自然に親しむ運動」にあわせ、夏休み期間、または、その前後に「自然ふれあい行事」を開催。今回の観察会は、干潮の時間に合わせ実施。普段は歩くことが難しいマングローブ林内の環境を通し、奄美の自然の豊かさや大切さを知ることを目的に開催された。

観察会は、髙橋さんの誘導の下、▽オキナワハクセンシオマネキ▽アカテノコギリガザミ▽ミナミコメツキガニ▽チゴガニ―の4種類のカニを中心に探索を開始。他にも、ミナミトビハゼ、植物では、熱帯または亜熱帯地域で生育するサキシマスオウノキの種、オヒルギ、メヒルギを観察。生き物たちの「命のゆりかご」と呼ばれるマングローブで、その多種多様な生命の営みに子どもたちは直に触れ、肌で感じ、学んでいた様子だった。

同市名瀬から参加した前田守さん(50)は、「カヌー目的で来たことはあったが、マングローブ原生林を歩けたことは貴重な経験。生物多様性を感じることが出来た」と話し、娘の千智さん(12)は「カニの名前を初めて知った。友達に教えてあげたい」と笑顔を見せた。