県議会代表質問

血液製剤、迅速供給で課題
学校安全点検、樹木も定期的指導

9月定例県議会は15日、引き続き代表質問があり、県民連合の福司山宣介議員=鹿児島市・鹿児島郡区=、公明党の松田浩孝議員=鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。奄美大島における輸血用血液製剤の供給では、県血液センターも検討会に参加し協議を進めているが、地元医療機関から「迅速な供給ができていない」との意見があり、県も迅速な供給に課題があるとの考えを示した。

2018年3月に奄美大島の血液製剤備蓄所が撤退したことで、同島での安定供給が課題となっている中、県血液センターの認識について房村正博・くらし保健福祉部長が答弁。それによると、同センターは安定供給の責務があるとする一方で、「出張所(県立大島病院内)設置に経費等の課題があるため、県や市町村、県立病院局、地元医療機関で構成する検討会に参加し、安定供給に向けて丁寧な協議を進めている」との同センター側の考えを説明した。

検討会などでの協議では迅速な供給を求める地元医療機関の意見に対し、房村部長は、センター側は課題を承知していることを報告するとともに、「あくまでも平時は安心安全な供給で大きな問題は発生していないとの回答があった」と述べた。出張所設置については引き続き運営などについて関係機関があらためて整理した上で協議していくとした。

知事の政治姿勢で外交安全保障に関連する質問があった。このうち中国による軍事演習もあり現実味を帯びている「台湾有事」について、塩田康一知事は「本県は中国および台湾に地理的に近く特に南西諸島に多くの離島を有している。台湾をめぐる問題については政府において外交努力により平和的な解決が図れるよう努めていただきたい」と述べ、安全と平和を守る国の取り組みを求めた。

曽於市の事故を受け学校の樹木の安全管理対応は東條広光教育長が答弁。市町村教委や県立学校への通知により「各学校では職員等が応急的な点検を実施し、必要に応じ枝のせん定や伐採などを行うとともに、幹の傾きや割れなど注意を要するものについては周辺を立ち入り禁止とするなどの措置が行われたとの報告を受けている。安全管理の具体策につては樹木医など専門家のアドバイスを受けて講じるよう各市町村教委に助言を行った」と説明。各学校での安全点検はこれまで施設や設備を中心にしてきたが、今後は樹木も定期的に行うよう各市町村教委に指導したとした。

年齢や成長に見合わない重い負担を負うことで本人の育ちや教育に影響があるという課題から支援が必要なヤングケアラーに関し、県は現在実態調査を進めている。岩田俊郎・子育て・高齢者支援総括監の答弁によると、実態調査は県内の小学6年生、中学生、高校生の約1割にあたる約1万5千人を対象に、家族のケア状況や生活への影響、支援ニーズなど調査。中学生および高校生は学年ごとの状況を把握するため全学年を対象としている。調査結果について岩田総括監は「今年度関係する福祉、介護、医療、教育等の職員向けの研修において共有するとともに県ホームページで公表する」と述べ、市町村と連携しながら適切な支援に取り組むとした。