古仁屋で最大瞬間風速31・8㍍

台風対策で係留する漁船など(奄美市名瀬大熊漁港、18日正午過ぎ)

台風14号 奄美地方、暴風域抜ける
けが人、大きな被害なし

 大型で非常に強い台風14号は18日、奄美地方北部の一部を暴風域に巻き込みながら北上し通過した。古仁屋では午前7時40分に最大瞬間風速31・8㍍の猛烈な風が吹き、古仁屋、伊仙、沖永良部では24時間で100㍉を超す雨にも見舞われた。群島内12市町村では、一部で倒木などはあったものの、けが人や建物などへの大きな被害の報告はなかった。

 奄美地方では18日午後5時現在、土砂災害(レベル3相当)、暴風、波浪警報が発表されている。暴風警報は18日中に注意報へ切り替わる見込みとなっているが、土砂災害、波浪警報は19日も継続する可能性が高い。

 台風14号は18日午後5時現在、中心気圧930ヘクトパスカルの強さで指宿市の南約60㌔を時速20㌔で北北西に進んでいる。奄美地方からは遠ざかっており、南部は19日昼前、北部は同日昼過ぎに強風域を抜けるとみられる。

 気象庁によると18日は、古仁屋で最大瞬間風速31・8㍍の猛烈な風が吹き、天城で29・4㍍、奄美市笠利で28・3㍍などの非常に強い風を観測した。同日午前0時半までの24時間降水量の最大値は、伊仙151・5㍉、古仁屋145・5㍉、沖永良部127・5㍉の雨が降った。

 群島内市町村によると、倒木や木々の折損、建物壁の一部が剥がれるといった被害報告はあったものの、けが人などはいなかった。奄美署、大島地区消防組合によると18日午後4時現在、台風14号に関係する被害報告は入っていないという。

 19日に予想される最大風速(最大瞬間風速)は北部18㍍(30㍍)、南部15㍍(25㍍)。波の高さは北部6㍍、南部5㍍でともにうねりを伴う。19日正午までの24時間降水量は、南部・北部いずれも多いところで80㍉となっている。

 気象庁は引き続き、うねりを伴った高波や土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒するよう呼び掛けている。