「生理の貧困」解消へ

右から地域おこし協力隊の橋井杏さんと役場職員、生理用品を受け取る知名小学校の外西安理養護教諭と井手英男校長ら=15日、知名町=

知名町 全小中学校に生理用品無料配布

【沖永良部】知名町は15日、町内小中学校に生理用品を無料配布した。経済的理由などで生理用品の購入や使用することができない「生理の貧困」問題を解消しようと、県の事業を活用した。

県から支給された1パック20個入りの生理用品全95パックを各学校の女子数(小学4年生以上を想定)に応じて配布した。さらに町の事業を使い、静岡県常葉大学の女子学生が制作した生理に関する啓発冊子「知っておきたいアレのこと あなたとわたしの生理読本」(A5版、16ページ)も無料配布した。冊子は町内7小中学校分で合計310部を準備した。

この日は、同町地域おこし協力隊の橋井杏さんらが町内の小中学校を回り、生理用品と冊子を届けた。沖永良部高校へは事前に配布、同町中央公民館と役場子育て支援課にも置いた。

生理用品10パックと冊子65部を受け取った知名小学校(井手英男校長、児童数180人)の外西安理養護教諭は「初潮が低年齢化しているので、突然の事態にも安心できる」と話した。保健室に設置する予定。

地域おこし協力隊の橋井さんは「必要な時に、必要な人へ行き届くような社会になれば。女性が自分の身体に向き合うきっかけにもしていきたい」と語った。県の支給分がなくなったら、地域おこし協力隊の活動補助金を活用し無料配布を継続していくという。