「大和家の家計簿」

自主財源の確保などが課題となっている大和村

実家の援助で生活
自主財源確保が課題

大和村で2021年度に住民らが納めた税金や国、県からの補助金、地方交付税などがどのくらい入り、どのように使われたかを示す、一般会計歳入歳出決算が9月定例議会で認定された。歳入総額が約37億3千万円、歳出総額が約35億6千万円。四捨五入の関係で少々荒っぽいが、財政状況を「大和家の家計簿」に例えてみた。

決算規模を千分の一に縮小して、電卓をたたいてみると―。 

収入では、稼いだ給料(村税)は長引く不況や新型コロナウイルスの影響などで、昨年とほぼ変わらず約9万円。妻のパート収入(使用料・手数料)が約6万円。事業収入(繰越金、諸収入、寄付 金など)の約25万2千円と合わせて約40万2千円となる。

家族を支える頼みの綱となるのが、実家からの援助(国庫支出金、県支出金、地方譲与税など)が約260万円。足りない分は預貯金などの取り崩し(繰入金)で約34万円を穴埋め。さらに金融機関からの借り入れ(村債)約36万円などで生活している。実家からの援助は収入の7割近くとなっており、いつまでも親に頼らざるを得ない状況だ。

一方、削るのが難しい支出をみると、食費(人件費)は前年度より約4万円増えて約61万5千円。光熱水費など(物件費)が約47万3千円。友人や知人らへのお祝い金など(補助費など)に31万7千円。

医療費や学費など(扶助費)に約20万円。本土の大学などに進学した子どもたちの仕送りなど(繰出金)に約23万円。万一のことを考えて貯金(積立金)を約52万円しなければならないが、ローンの返済(公債費)にも約36万6千円を充てていて、支出に占める割合は約10・3%になっている。

同村が自主的に調達できる自主財源は収入の20・4%、国や県から交付される財源や借入金のような依存財源は79・6%となっている。

安定的な自主財源の確保に取り組むにはさまざまな課題がある。例えば収入未済の問題。住民負担の公平性を保つためにも、税金や使用・手数料などの滞納が累積しないよう、関係各課の連携を強化し、滞納発生の防止、未収債権の回収や縮減に努めなければならない。

家計の厳しいやり繰りは、同村に限ったことではなく、奄美の他の自治体でも共通なことだといえるが、少ない経費から迅速で効果ある住民サービスを提供していくことが求められる。

伊集院幼村長は「歳出抑制に努めていくことが、財政バランスを保っていく。黒字決算を目指し、歳入と歳出のバランスをしっかり図っていくことが大事だ」と話した。