奄美市生涯学習講座「ネコ問題」理解深める

「ネコ問題」について講話をする、岡さん

命に責任を持って
「室内で飼うこと大切」

奄美市とNPO法人アマミーナ(徳雅美理事長)は23日夜、奄美市生涯学習講座「2022度第4回コミュニティカレッジ」を奄美市名瀬の市民交流センターで開講した。講師は市役所世界遺産課自然環境係の岡翔太さん、演題は「動物愛護週間に考える~奄美市におけるネコ問題の取り組み~」。身近な問題で解決しなければならない課題がテーマということもあり20人以上が参加し、同市の取り組みについての講話に耳を傾けた。

毎年20~26日は、「命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めること」を目的として定められた「動物愛護週間」。同週間を機に、世界自然遺産登録前からの、解決しなければならない課題の一つ「ネコ問題」を題材として開催された。

岡さんは、①「ネコ問題」の実情②市で行っている対策③ネコにとっての幸せとは④人もネコも野生動物も住みやすいシマへ―などの講話を行い、対策の効果としてノネコやノラネコの減少およびマイクロチップ装着率と不妊去勢率の向上を挙げた。

参加者からは「ネコが希少生物を捕食することは当然。ネコも希少生物も同じ命」や「飼うということは最期まで見届けるのが飼い主の責任。命に責任を持って」など、さまざまな意見が出された。 

岡さんは「ネコ問題について理解してもらえる良い機会になった。飼い主などに対する啓発活動は大切だと感じた」とし、「基本的には飼い主が責任を持って、室内で飼うことが大切」と話した。

徳理事長は「多くの取り組みが行われていることを知ってほしかった。行政や団体に頼らず、飼い主など関わる人の意識を変えることが必要」と語った。

第5回の同講座は10月28日、田中一村記念美術館の有川幸輝学芸員を講師に招き、演題「100年後の子どもたちへ~田中一村記念美術館の取り組み~」を予定している。