浦上町の「屋外猫」調査開始

町内を歩いて屋外にいる猫を探す参加者

実態把握へ、ACN・住民協働 初日は6匹確認
奄美市名瀬

 奄美ネコ問題ネットワーク(ACN、久野優子代表)は25日、奄美市名瀬の浦上町内会(壽剛進町内会長、約970世帯・1960人)と協働し、町内の野良猫調査をスタートさせた。地域にいる屋外猫の実態把握を目的に、住民ら約30人が参加。参加者らは町内を歩いて屋外にいる猫の特長や発見場所を記録した。

 調査は、希少動物を襲って生態系を脅かすノネコ(野生化した猫)になるのを防ぐことが目的で、市の事業「市街地区の野良猫モニタリング調査」の一環。ACNが委託を受け、2019年から調査を開始。集まった情報は、野良猫に不妊手術をして元の場所に戻す市のTNR事業へ提供していく。

 今年は、大熊町、有屋町、鳩浜町などに次ぐ6カ所目で、同町の調査は初めて。町内を11エリアに分けて、1班3~4人で調査にあたった。

 参加者らは町内を歩いて、家屋の隙間や軒下、側溝や茂みをのぞき込むなど猫を探した。猫を見つけると写真に撮影。体の模様や耳先のカット(不妊手術済みの印)を確認し、見つけた場所を地図に記した。

 初日のこの日は計6匹を確認。手術済み1匹、未手術1匹、飼い猫4匹だった。

 調査を終え壽会長は「5年前は苦情もたくさんあったが、こんなに減っているのかと驚いた」と述べ、「(調査を)継続することで町民の意識も高めていきたい」と笑顔だった。

 久野代表は「調査を重ねることで数は増えてくる」としつつも、目撃数の減少は「(適正飼養など)みんなの意識が変わってきたということ。素晴らしいこと」と話した。

 同町2回目の調査は10月9日を予定している。