SW期間中に実証実験

市道三太郎線(東仲間出口)で聞き取り調査を行うスタッフら

 

「予約方法を簡単にしてほしい」
地元住民要望
三太郎線夜間ルールの新設

 

 奄美市住用町の市道三太郎線で夜間に野生生物を観察するナイトツアーの「新ルール実証実験」が、シルバーウイーク(SW)期間中に行われた。連休最終日の25日は、関係機関合同での聞き取り調査を同線出入口で実施。新設ルールを利用して夜間観察を楽しんだ地元住民からは、「予約の簡素化」などの要望が挙がった。

 ナイトツアーの人気コースである市道三太郎線周辺は、環境保全と質の高い利用の両立を目指し、昨年10月から交通規制などを行う「夜間利用ルール」を試行している。新たに追加検討しているルールは、地元住民の意見を踏まえた「繁忙期における地元枠の新設」と「1予約あたりの利用台数(2台まで)の変更」の二つ。

 合同調査は「同線夜間利用適正化連絡協議会」を構成する環境省、奄美市、世界自然推進共同体、奄美野鳥の会、官民4団体が実施。午後7時~9時半まで同線出入口にスタッフを配置し、通行車両の予約状況などを確認した。

 この日の通行車両は、西仲間入口から3組(うち、地元枠1組)、東仲間入口から2組、計5組の5車両。

 約1時間の夜間観察を同乗者4人で楽しんだ井上雅彦さん(72・同町西仲間)は「夏休みなどに子どもたちが楽しめる『地元枠』の新設はありがたい」と言う一方、「インターネットでの予約は年配者には難しい。電話予約の受付けも必要ではないか」と、新ルールの感想を話した。

 環境省(奄美群島国立公園管理事務所)の田口知宏管理官によると、SW中に「地元枠」を利用したのは2組。「台風の影響もあったが、予想外に予約が少なかった。追加の実証実験を検討するとともに、今回の実験データを集計して近日中に公表したい」と話した。

 集計結果は次回の連絡協議会で関係者(地元住民・ツアーガイド・行政など)と共有・意見交換し、来年度繁忙期のルール適用を目指す。