福祉避難所管理運営

台風などの災害時には避難所が開設されている(資料写真)

県、新たにマニュアル作成
来年梅雨前に 市町村や施設の円滑化へ

 県は、災害時に一般の避難所で過ごすことが難しく配慮が必要な高齢者や障がい者などのための福祉避難所管理運営マニュアル作成に、新たに取り組む。市町村や福祉施設が円滑な運営が図られるよう進めていく。

 県では避難所を運営するための標準的な事項をまとめた避難所管理運営マニュアルモデルを2008年度に作成、17年度に熊本地震や国の福祉避難所確保運営ガイドラインの作成を踏まえた見直しに着手。新たに要配慮者のための福祉避難所に関する項目を追加した。

 21年度、国は災害時における要配慮者の円滑・迅速な避難の確保などを図るため、福祉避難所の確保運営ガイドラインを改定。その中では、▽福祉避難所の指定▽受け入れ対象者の公示▽福祉避難所への直接避難の促進▽熱中症などへの対応―について項目を追加した。これを受けて県も新たに福祉避難所にかかる管理運営マニュアル作成に取り組むが、作成時期について県議会一般質問答弁で塩田康一知事は「来年の梅雨の前(災害が起こる可能性から)に、できるだけ早く整備したい」との考えを示した。

 今年7月には福祉避難所の運営マニュアル作成を促進するため、市町村や施設など職員を対象に実務研修を実施。同研修では事前にアンケート調査も実施しており、その中では「防災訓練、研修は業務が多忙でもやるべき」「福祉施設職員が災害対応ワークショップをすることは有効」と考えている参加者が多かったという。

 危機管理防災局によると、避難所における備蓄物資は、避難所の運営主体である市町村が確保し、県では災害救助法が適用されるような大規模災害発生時に市町村の避難所用の備蓄物資が不足する場合に備えて対応。段ボールパーテーション、段ボールベッド、段ボール仮設ハウス、食料などを備蓄している。昨年度、備蓄物資のうち消費期限を迎える食品や飲料水などを更新。今年度はこれに加えて新たに生理用品を確保するという。

 また、新型コロナウイルス感染症のリスク低減に対応。避難所の管理運営に関する新型コロナ対策指針を昨年度改定し、市町村向けの説明会をオンラインで開催。今年度も6月末にオンライン開催している。