「鹿児島の海老」

かご市で扱われる海老関連の商品。鹿児島の新たな特産品としての可能性を秘めている

新たな特産品として注目
かごしま特産品研究所

 【鹿児島】海老(えび)が鹿児島の新たな特産品として近年注目されているという。鹿児島市の天文館で県内の特産品を販売している「かご市」でも、近年海老関連の商品の点数が増え、売り上げを伸ばしている。「海老そのものを食べることはもちろん、だしとしても活用できるので、食材としていろんな可能性を秘めている」とかごしま特産品研究所の研究員・中島秋津子さんは分析している。

 鹿児島の海老は「大きいのから小さいのまで多種多様な種類があるのが特徴」と中島さん。「えっがね」の名前で肝付町や阿久根市などで水揚げされる伊勢海老は全国6位の漁獲量がある。クルマエビは県内各地に養殖場があり、奄美大島や甑島にも養殖場がある。ナミクダヒゲエビは錦江湾でしか獲れない。

 かご市では3年前の2019年に海老を原材料にした商品は5点だったが、21年は11点に増えた。売り上げも21年は19年比で6割増となっている。

 売れ筋の商品としてはタカエビを使った海老餃子や、海老煎餅などの食品に加えて、だしやめんつゆなど調味料も挙げられるという。タカエビが正月のお雑煮のだしとして使われるように「鹿児島の人たちはおいしいだしが取れるものを重宝する傾向がある。海老だしのラーメンも出ており、いろんな商品開発の可能性を秘めている」と中島さんは期待を寄せている。

(政純一郎)