宇検村の暮らしの変化調査

調査最終日に奄美博物館を訪れた鹿児島大学小栗ゼミのメンバーら

人と自然の関わりから「教育」を考える
鹿大法文学部小栗ゼミ

鹿児島大学法文学部小栗ゼミの学生12人が9月26日~30日、宇検村の調査合宿を行った。学生たちは宇検村の暮らしの変化について、集落住民や行政関係者などから聞き込み調査を実施。意見交換や地域との交流を図り、奄美の生活文化を肌で感じた。

同ゼミは「人と人がつながり、地域の自然や歴史・文化資源を生かした地域づくり」がテーマ。ゼミを主宰する同大の小栗有子准教授は、離島研究のため2009年から奄美大島に通い始め、島の暮らしや教育研究に取り組んでいる。今回の調査は、島内の暮らしが職住分離へ変化する中で、宇検村における自然環境と人との関わりから「教育」の可能性や課題を考えることが目的。

12人の学生らは「教育班」「人口動態班」「自然環境班」に分かれ、芦検・平田集落で住民からヒアリングを実施。また伝統漁法「待ち網漁」を実体験。最終日の30日は奄美市名瀬の市立奄美博物館で、環境文化や集落の概念などを学んだ。

5日間の合宿調査を終えた荒川眞さん(3年)は「いろんな年代の人たちが団結して一つの作業をする『待ち網漁』を体験し、人と自然が密接に関わっていることを実感した」と話した。

小栗准教授は「集落で人が育ち豊かになる、その空間を感じることができた。学生たちには今回の経験をしっかり受けとめ、自分自身ができることを考えてほしい」と合宿調査を振り返った。

年度末には調査結果をまとめ、報告交流会を予定している。