【3回戦・連合②―徳之島】5回裏連合②二死二塁、8番・迫の中前打で二走・廣瀬が本塁を狙うも、三本間挟殺でタッチアウト。三塁手・幸
【鹿児島】第151回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第13日は2日、鹿児島市の平和リース球場で3回戦3試合があった。
奄美勢の徳之島は明桜館・串木野・川薩清修館(連合②)に5―2の逆転勝ちで17年春以来11季ぶりとなる8強入りを勝ち取った。
第14日は3日、同球場で3回戦2試合がある。奄美勢の対戦は組まれていない。
=平和リース=
◇3回戦第3試合
徳之島
000000023 5
000000200 2
明桜館・串木野・川薩清修館
【徳】大澤、嶺本―町田、上原
【連合】松田、川崎―玉利
▽三塁打 嶋田(徳)▽二塁打 廣瀬(連合)
(徳)
34932500137
打安点振球犠盗併失残
33816111236
(連合)
【評】徳之島・大澤、連合②・松田、両エースを中心にした守り合いで、七回表まで両者無得点。七回裏に2点を先制された徳之島だったが直後の八回表、四球とエラーで二死ながら一三塁とすると4番・嶋田が右越え三塁打を放って同点に追いついた。九回表は1番・幸の右前適時打で勝ち越し、相手のエラーで3点をダメ押した。その裏の連合②の攻撃を無失点で切り抜け、逆転勝利をものにした。
後半まで続いた劣勢は「監督の力みが選手に伝わってしまった」と徳之島・地頭所眞人監督。それでも「チーム一丸で逆転勝ちできた」と15人の選手全員の健闘を称えた。
勝てば5年半ぶりの8強入り、対戦相手は3月まで初任で4年間監督した串木野を含む合同チーム…監督歴5年目、29歳青年監督の気負いが選手に伝わってしまったのか、七回までの徳之島は押し気味に試合を進めながらも、走塁ミスなどでことごとくものにできなかった。逆に相手にはこちらのミスが絡んでワンチャンスをものにされた。
このまま負けてしまえば大きな反省と後悔の残る展開だったが「勝負所を選手たちが分かっていた」(地頭所監督)。直後の八回表、二死ながら一三塁と粘って好機を作る。「一走の加さんは足が速いから外野に飛ばせば何とかなると思った」1年生4番・嶋田翔仁が振り抜いた打球は、風に流され、前進してきた右翼手の後ろに落ちる起死回生の同点三塁打となった。
その裏、二死から連打を浴びたが、途中から左翼に回ったエース大澤がダイレクト返球で三塁タッチアウトのビッグプレーを披露。劣勢の空気を完全に覆し、その勢いが九回の3点勝ち越しにつながった。
プレーする選手だけでなく「ベンチの選手たちも打席の選手を勇気づける声掛けを意識した」と正岡大暉主将。「ベンチの声のおかげで力まずリラックスして打てた」と殊勲の同点打を放った4番・嶋田は感謝する。
8強入りはチームの「短期目標」(正岡主将)。ひとまず達成できたが「ここに満足せず、4強、決勝と勝ち上がり、九州大会にいって、昨年の大島のようにセンバツにいく」と嶋田はその先の「長期目標」への意欲を語っていた。
(政純一郎)