荒木沖でリーフチェック

喜界町荒木沖で調査にあたるダイバー(提供写真)

サンゴ被度60%、健全度高く
喜界島サンゴ研

 喜界町のNPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所はこのほど、同町の荒木沖でサンゴ礁(ハードコーラル)の健全度を調査する「喜界島リーフチェック2022」を実施した。サンゴが海底面を占める割合を示すサンゴ被度は、浅場(水深約5㍍)、深場(水深約10㍍)ともに約60%で、同所研究員は「依然として被度は高い」と評価している。

 同地点のリーフチェックは2018年に開始。調査には同所研究員やダイビング事業者7人のほか、広く関心を持ってもらおうと一般のダイバー4人も初参加した。

 調査方法は、昨年と同じ場所の2地点(浅場と深場)を測線で囲み、魚類と無脊椎生物の個体数と底質(被度)の3項目を調べた。今年は、新たに造礁サンゴの白化割合も合わせて算出した。

 サンゴ被度は、浅場が前年比20%増の60%、深場が8%増の59%。測線がズレて若干は影響したものの、依然としてサンゴ被度は高いことが確認された。

 魚類ではチョウチョウウオ科やブダイ科、無脊椎生物ではシャコガイなど、例年と比べても大きな差はなかった。食害生物のオニヒトデはこれまで通りみられなかった。初調査となったサンゴの白化現象は、浅場が9・68%(93群体中9群体)、深場が4・04%(99群体中4群体)が見つかった。

 調査を担当した椛島賢斗研究員は「今年はサイエンスの観点からサンゴの状況を知ってもらおうと一般のダイバーも参加していただいた。結果を広く共有しながら地域や一般の人とも連携し、海の調査を持続可能なものにしていきたい」と話した。

 サンゴ以外では、岩(浅場23%、深場29%)やソフトコーラル(同11%、同4%)などが多くの底質を占めている。