氷触れ、南極の魅力学ぶ

南極の氷に触れたり、空気が弾ける音を聞く児童たち

講話する渡邊所長

自衛隊員がサプライズ来校
奄小で特別授業

 奄美市名瀬の奄美小学校(中村勝校長)で7日、6年生を対象にした南極について学ぶ特別授業が同校体育館あった。自衛官に憧れる児童へささやかな贈り物を届けようと、南極観測隊員だった自衛隊鹿児島地方協力本部奄美大島駐在員事務所の2等海尉・渡邊繁樹所長らがサプライズで来校し講話。児童62人は観測船「しらせ」が持ち帰った氷にも触れ、1万4千㌔離れた南極の魅力を学んだ。

 授業のきっかけは、本紙6月24日付に掲載の「あまみ子ども読書・新聞応援プロジェクト」の記事。東日本大震災で人命救助にあたる隊員の姿に憧れ「自衛官になりたい」と綴った同6年生・岩越夏菜さんの作文を読んだ同所隊員が、「児童の役に立てれば」との思いから申し出て実現した。

 授業では、約30年前に観測隊員として南極を2回訪れた渡邊所長が、氷に覆われた極地の環境や砕氷艦「しらせ」での活動、昭和基地で暮らす観測隊の役割などをスライドで紹介した。氷については数万年以上前の空気が閉じ込められており、「当時の天候を研究する上で役立つ」と解説。氷を砕きながら前進と後退を繰り返して進む「しらせ」の高機能ぶりなども説明した。

 講話後は、同本部から届いた約2㌔の南極の氷がお披露目されプレゼント。児童たちは氷に手で触れ「冷たい」と声を上げながら、耳を近づけてプチプチと空気が弾ける音なども確認した。

 岩越さんは「知らなかったことも多く勉強になった」と喜び、自衛隊員との対面には「かっこいい。南極にも行きたくなった」と笑顔だった。