奄美を描く美術展

大賞の嶋田敏夫さんの水彩「継承のカタチ①」

大賞に嶋田敏夫さん(京都府)
入賞・入選60作品決まる

 奄美が画題の全国公募展「第21回奄美を描く美術展」(同実行委員会主催)の入賞・入選作品が12日、決まった。大賞に選ばれたのは、京都府在住・嶋田敏夫さんの水彩「継承のカタチ①」。淡い色調で奄美の動植物をユーモラスに描くなど、美しい南国のイメージや奄美を見事にとらえた点が評価された。

 奄美の文化振興、観光発展を目的に毎年開催。21回目の今回は全国から、油彩47点、アクリル・水彩35点、日本画・墨11点、版画1点、工芸1点、その他4点の計103点(出品79人)の応募があった。

 審査は、富山大学芸術文化部名誉教授の安達博文さんが審査委員長を務め、3日に実施。入賞12点、入選48点の計60点を決めた。

 安達審査委員長は「奄美の人が日常の中で感じたことを描いた作品から、島外の人が南国のイメージを深め描いた作品など、様々な視点や異なる切り口から描かれた素晴らしい作品が集まった」と総評。「様々な素材を生かして奄美を表現することは、奄美の魅力を触覚的に再発見することにつながる。これからの発展に期待したい」と述べた。

 作品展は、同館企画展示室で23日~11月20日(午前9時~午後6時)に開催。入場無料。12月3日~11日は、奄美市名瀬の市民交流センターへも巡回する。

 大賞以外の入賞者は次の通り(敬称略)。

 ▽田中一村記念美術館賞 中村哲郎(奄美市)▽優秀賞 平野良光(霧島市)、餅原宣久(鹿児島市)、田中孝林(福岡県)、上田泰徳(東京都)、KUMA―YOSHI(神奈川県)▽佳作・奄美の海賞 村田優佳(鹿児島市)▽同・奄美の空賞 植村恭子(同)▽同・奄美の杜賞 Tako★MASARU(神奈川県)▽ソテツ賞 新島修二(埼玉県)▽コンロンカ賞 盛こころ(奄美市)