奄美市で県民文化フェスタ

奄美群島初の県民文化フェスタでオープニングを飾る「奄美六調太鼓」のメンバー

 

 

島々の伝統芸能、多彩に共演
群島10団体200人、踊りや演舞で魅了

 

 

 奄美群島初開催―。世界自然遺産登録記念「県民文化フェスタinあまみ2022」(県文化協会など主催)が16日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。舞台部門では、群島を代表する10団体約200人が一堂に会し、島の歴史と集落の精神を受け継ぐ多彩な伝統芸能を披露。会場には市民や関係者ら865人が来場し、華やかな踊りや演舞、唄などを堪能した。

 県内開催は3年ぶり。原口泉会長はあいさつで「奄美の伝統芸能は県や世界のモデルにもなれる文化。じっくり鑑賞したい」と話し、塩田康一知事(代読)は「練習の成果を発揮し、独自文化の継承へ機運が高まることに期待したい」と述べた。

 舞台は、3団体が集う奄美六調太鼓(奄美市名瀬)のダイナミックな音色で開幕。大笠利わらぶぇ島唄クラブ(同市笠利町)の児童生徒らは地域で継承する「朝花節」や「野茶坊節」を元気に唄い、大和浜棒踊り保存会(大和村)と西伊仙東棒踊り保存会(伊仙町)は、棒をかち合わせながら戦いの舞を勇ましく披露した。

 中盤は、亀津浜踊り保存会(徳之島町)と童子八月踊り保存会・古仁屋八月踊り会(瀬戸内町)が、地域が誇る八月踊りを鮮やかに発表。芭蕉着物姿にタスキ掛けで登場した正名ヤッコ踊り(知名町)は編み笠を手にさっそうと演舞し、芦検民謡保存会(宇検村)は無形文化財指定の「稲すり踊り」を上演し、観客を沸かせた。

 休息後は、西仲間八月踊り伝承会(奄美市住用町)が息の合った「竿踊り」で熱気を高めてオーラスへ。最後は、畦布字伝承芸能保存会(和泊町)が61年ぶりに復活させた琉球舞踊の組踊「高平良万才」を演じ、多様な共演の舞台を締めくくった。

 閉会式であいさつした境賢勇実行委員長は「島々を代表する郷土芸能の数々に万雷の拍手を送りたい」と感謝した。

 会場ではこのほか、絵画や写真、短歌、俳句、書道、盆栽、生け花などの展示部門も併催。創意工夫の作品165点が来場者の目を楽しませた。