大島紬担い手育成支援セミナー

「大島紬担い手育成支援セミナー」の初日、「図案制作」を学んだ(17日、奄美市名瀬浦上町)

伝統工芸から奄美学ぶ

 奄美大島雇用創造協議会(代表・安田壮平奄美市長)は17日、2022年度厚生労働省委託・地域雇用活性化推進事業「大島紬担い手育成支援セミナー」を開催した。21日までの5日間の日程で、求職者・起業希望者の計12人が参加。奄美市名瀬浦上町の「WorkStyle Lab」他で開催。初日のこの日、講師に本場奄美大島紬協同組合の濵田浩之さん(51)が登壇。参加者たちは伝統工芸を通し、奄美の文化を学んだ。

 同協議会は、厚生労働省による地域雇用活性化推進事業を実施する団体として20年5月発足。奄美大島5市町村などで構成。地域の雇用創生や人材育成につながる構想を同事業に提出、採択されたセミナー、イベントなどを同省の委託事業として行う。

 この日のセミナーは、大島紬の最初の工程に当たる「図案制作」。①奄美大島紬の概要の説明②絣=かすり=(模様を構成する点や線)の図案作成③龍郷柄の作成―の3コマで進行。奄美大島紬の概要では、その定義や特徴、歴史を説明。現状・課題として▽生産反数の減少、従事者の減少と高齢化、後継者育成▽反数の下げ止まり、需要の回復を期待して試行錯誤が続く―など報告。作成の時間では絣の図案制作を、サインペン、定規など用いて▽普通▽サベ▽長―など種類ごとに実施。その後、龍郷柄の制作に取り組んだ。

 奄美市名瀬の坂田愛沙=あきさ=さん(34)は「奄美の伝統工芸に興味があり参加した。
学んだことを将来、海外に向けて発信できたら」と話した。

 濵田さんは「大島紬の工程は様々ある。自分が得意な工程を見つけていただければ」と語った。

 同セミナーの日程・内容は次の通り。

 ▽2日目(18日)締め工程▽3日目(19日)テーチ木染め・泥染め▽4日目(20日)加工▽5日目(21日目)機織り