徳之島町旧庁舎閉庁式で48年間の歴史に感謝した町当局や町議会、職員OB代表ら=19日、同旧庁舎前で
【徳之島】徳之島町役場旧庁舎の閉庁式が19日あった。ほぼ完成した新庁舎への前倒し移転・業務開始(11日)に続く24日からの旧庁舎解体工事着手に伴うもので、町当局や職員OB、町議会議員など約50人が参加。48年間、町のシンボルとして町発展に寄与した庁舎との歩みをふり返って感謝。そして心機一転の飛躍に期待を寄せ合った。
町概要によると、同旧庁舎は1974(昭和49)年に完成し総事業費1億6千万円(当時)。敷地面積8304・4平方㍍に、鉄筋コンクリート4階建て延べ床面積2759・1平方㍍(本庁舎2055・7平方㍍、91年増築棟703・4平方㍍)。半世紀近くの経年劣化・老朽化、耐震強度、バリアフリー未対応など諸課題を抱えていた。
旧庁舎閉庁式の神事は同正面玄関ロビーであった。高岡秀規町長や行沢弘栄議長、幸野善治副町長が「感謝・解体の儀」で木づちを入れた。同庁舎と苦楽を共にした町職員OB(池田豊吉・川村安次郎・東郷勇さん)や、現職員代表も交えて玉ぐしをささげて感謝した。
高岡町長はあいさつで職員らに「新庁舎への引っ越しも終えて心機一転、チャンスも巡ってきたと感じる。自治体間の競争、地域間格差も生じる時代。地域振興への新たなチャレンジ精神、粘り強さ、事例づくりに初心を忘れずに」との訓示も交え期待した。
旧庁舎完成の年(74年)に同町職員となった幸野副町長(71)は、厳しかった先輩や同僚職員らとの思い出話も交え「新庁舎では職員の健康と安全を守り、町民の未来永劫の発展に」と決意。元総務課長・副町長の池田さん(84)も「変遷に対応するものが生き残る時代。声なき声、姿なきものを見る気持ちで町民の声に耳を傾け、町民目線で(災害など)危機にも備えを」などと期待を寄せた。
町総務課によると、24日からの解体工事(駐車場化)は、安全や粉塵対策で防護シートに覆われるため、この1週間程度が庁舎原形の見納めとなりそう。